ゴールデンウィークの過ごし方
2022-05-02
5月に入ってゴールデンウイークの最中です。
長い方で10連休のお休みといいます。
「ゴールデンウィークはお寺さんも忙しくて
大変でしょう」と聞かれます。
法事が多くて大変でしょうと
言われるのです。
確かに以前は法事が多かったのですが
今はかえって法事は殆どありません。
ゴールデンウィ-クの長いお休みに合わせて
遠方の方も法事に帰ってみえるというお話です。
ところが今はゴールデンウィークといっても
家でのんびり過ごしたり家族で旅行に行ったりと
ゴールデンウィークの過ごし方も
個人的に人それぞれ様々です。
先日三佐のお祭りがあり今日明日は海原のお祭りで
お祭りに遠方から家族が帰って来たり
親戚縁者がたくさん集まったものですが
今はお祭りも一つの行事になって
皆で一緒にということではありません。
家族といっても
子どもが小さい頃は親子家族一緒にということですが
世代世代によって時間の過ごし方生活ぶりが
かなり違ってきています。
逆にいうと
今はいろんな過ごし方ができて
受け入れるところがたくさんあるということです。
もうこれしかできないこうするしかない
ということではないのです。
そんな現代社会にあってこのお寺です。
お寺との関係つながりです。
今はお寺は葬式法事の時だけのつながり関係になって
日頃から仏さまのご縁をいただくことが
これからも薄くなってくるのでしょうか。
日々の生活のなかでのお寺のあり方
ゴールデンウィークの過ごし方を提案して
お念仏のご縁つながりが広がる方策を考え
実践していきたいものですね。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.5.2)
無縁社会と言われるなかにあって(2010年アーカイブ)
2022-05-01
今は無縁社会と言われて
日々の生活のなかで
人と人とのつながりが薄れてきているといわれます。
歳を重ねる中で
子どもは家を出て独立し
夫婦二人の暮らしから一人暮らしの世帯が増えて
寂しい老後を送る人が多いといわれますが
近くに住む者同士の知恵と協力で
お互いに助け合い支え合って日暮らししているという
明るいニュースです。
「遠い親戚より近くの他人」といいます。
何かあった時に遠くにいる親戚に電話しても
すぐかけつけてくれることがなくても
近くに人がいればすぐかけつけてくれて
有効な対応ができるということです。
人と人とのつながり関係が
日頃からできていることの有難さです。
一人暮らしなんだけれども
いつも近くに心配してくれている人がいる安心です。
ある老人ホームのケアハウスでは
歳をとって死後のことを考えると心配なことが多く
中々言えない話せないというなかで
共同墓をつくったという話です。
遠方に家の先祖の墓はあっても
管理が難しく後見人がいないということで
共同墓をつくって希望者を募ったところ
意外と希望者が多かったといいます。
自分の死後のことを気にかけている人が
多いということです。
ケアハウスに同居していた仲間が亡くなると
そのケアハウスの中でお葬式をするといいます。
通夜も葬儀もにぎやかに皆さんがお参りし
共同墓に納骨をして法事を勤めるといいます。
共同墓には先に逝かれた方のお骨が納められますが
自分もまた納められるところです。
亡くなって行く場所があると見えることで
安心するというのです。
一つの家族なんですね。
人と人とのつながりです。
一軒の家に同じ屋根の下に生活する家族といえども
人と人とのつながりが薄れているなかにあって
ちょっと教えられることです。
同じ社会に生きる者同士
お互いに支え合っていこうと言葉では言っても
実際は私が私がと自分一人で頑張って生きているのが
私たちの生活ぶりのようです。
私が私がと頑張れば頑張るほど
プツンプツンと糸が切れるように
人と人とのつながりが
薄くなっているのではないでしょうか。
無縁社会と言われるなかにあって
このお寺のあり方が何か見えてきたような気がします。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2010.5.1)
お念仏申す心意気(2010年アーカイブ)
2022-04-30
毎年4月28日29日は三佐の野坂神社の春の大祭で
昨日一昨日と太鼓山車人形山車の曳山車で
いつもは静かな町内が青年衆の熱い心意気で
大いに盛り上がりました。
祭りが済んで夏が来ます。
祭りは季節の節目の神事で
各地で春夏秋の祭りがあります。
日本は元々農耕社会で
春に田植えがあって
秋は稲刈り収穫の時期を迎えます。
五穀豊穣、国家安泰を願うなかに
民衆の日々の日暮しがありました。
大きな願いのなかに
共々にこれからも生きていこうという心意気です。
その心意気が一つ祭典という形になり伝統となって
今の私たちに伝わって来ているということです。
その時代社会を生きる者の心意気です。
私たち一人ひとりの心意気が一つ形となり
地域の生活になっているのです。
私たちのことでいえば
お念仏のみ教えに遇わせていただくなかで
共々に生きる心意気です。
何か念仏者の私がと力が入りますが
私がというより仏さまの心意気です。
私たちの阿弥陀さまのお心おはたらきを
南無阿弥陀仏と聞かせていただくなかに
お念仏を申す私の心意気です。
親鸞聖人は「世のなか安穏なれ、仏法ひろまれ」と
おっしゃっています。
阿弥陀さまの仏法お念仏のみ教えが広まっていくなかに
本当に世の中が安らかで穏やかで平和になってほしいと
南無阿弥陀仏の心意気です。
阿弥陀さまの仏法に遇って
この私がお念仏を申す身にさせていただくことが
人間に生まれて生きることの肝要と
何度も何度もご縁ご縁に
私たちを喚んでくださっているのです。
今日もお念仏申す心意気をもって
日暮しさせていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2010.4.30)
この私一人の阿弥陀さまのお救い
2022-04-29
今朝ポストから新聞をとるのに
厚くて重くてえっと思いましたが
折り込み広告が沢山入っていました。
今日からゴールデンウィークということで
ストアや食事処などいろんなお店の広告でした。
これからはペーパーレスの時代という話です。
ネット社会になって紙媒体が少なくなるということですが
やっぱりまだまだ紙の広告です。
30ほどのお店の広告でした。
一人が全部のお店に行くわけではないし
どのお店にも行かない人が圧倒的多数です。
でも広告全てが無駄かというと
広告を出すことで店の宣伝になり
お客さんを見込めるわけです。
大きな網をうって魚をとる漁法で
古典的にこれからもあるのではないでしょうか。
昨日今日と野坂神社の春の大祭で
三年ぶりに神事が行われる予定でしたが
神社関係者がコロナ感染濃厚接触者になり
急遽中止になったということです。
まだまだコロナ禍の真っ最中ですが
曳山車の運行は三年ぶりに再開ということで
昨日は町内に太鼓山車人形山車が10基並びました。
このゴールデンウイークで
全国各地の催しが再開し人出が多くなりそうです。
それに伴い感染者も増えてきそうですが
一年前二年前のようなことではないようです。
ワクチンをうって検査して
十分お互いに感染対策を徹底した上で
私たちの日々の生活があるということです。
お寺もまたコロナ禍のなかで
二年間あってそしてこれからもあるわけです。
本当に私たちが必要なことは何かということを
問われ考えさせられる時間であったと思います。
阿弥陀さまのお念仏のご法義は
大網をうって一網打尽にするお救いではありません。
「十人は十人ながら百人は百人ながら」と
今朝の御文章に拝読させていただいたように
一人でも漏らす者はないと
この私のために立てられたご本願のお救いであり
「必ず救うまかせよ」の南無阿弥陀仏のおはたらきです。
阿弥陀さまがこの私を本願を信じ
お念仏申す身にしてくださって
南無阿弥陀仏とご一緒です。
お念仏の声となって私に寄り添い
そのまま私の隣の人に子や孫の世代につながって
お念仏の声が伝わって行くのです。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.4.29)
念仏の声を子や孫に
2022-04-28
昨日は満中陰四十九日のご縁にお参りしました。
家族8人のお勤めでした。
施主のお母さんのご縁で
子ども孫曾孫の三代総勢8人です。
皆さんご一緒にお正信偈をお勤めしました。
子どもの声が聞こえてきます。
4歳の曾孫さんが大きな声で
ナマンダブナマンダブとお念仏申されます。
もう一人の1歳になったばかりの曾孫さんは
おばあちゃんに抱っこされて手を合わせています。
このたびのご縁でお仏壇にお参りするように
なりましたと言われます。
大切な家族とお別れする悲しみのご縁ですが
そのまま仏さまのご縁をいただける有難さです。
日々の生活のなかで「ばあばにおまいりしようね」と
お仏壇の前で手を合わせナマンダブナマンダブと
お念仏の声が出るようになったのですね。
先に往かれたお方を
仏さまと仰いでいけるということです。
死んだら仏ということではありません。
死んだらお終いではないのです。
南無阿弥陀仏のおはたらき一つで
阿弥陀さまのお浄土に生まれ
後に遺った私たちを護り救うてくださる
仏さまに成ってくださったと
日々の生活のなかで仰いでいけるのです。
近くのお墓に納骨に参りました。
これからはお墓にもお仏壇にもお参りされて
お念仏申して先に往かれた仏さまがご一緒です。
南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
私たちは共々に生かされて生きているのです。
有縁の方が亡くなってのご縁ですが
そのまま仏さまのご縁といただくなかに
これまでも阿弥陀さまの大きなお慈悲の中に
生かされてあったと聞かせていただきます。
今はコロナ禍ということもあって
葬儀も法事も家族だけの少人数のご縁が多くなりましたが
仏さまのご縁は人数の問題ではありません。
その人人が仏さまのご縁をいただいて
お念仏を申す身にお育ていただくことが
先に往かれた仏さまの大きな願いと
お取り次ぎさせていただきます。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.4.28)