本文へ移動

お念仏を申す生活法話

RSS(別ウィンドウで開きます) 

まさかの大逆転!

2024-07-30
 パリオリンピックが始まり
日本選手の連日の活躍で
日本中が大いに盛り上がっています。

 各競技時間が日本時間の深夜になることで
朝起きて結果を知ることが多くあります。
 今朝のトップニュースは
体操男子団体とスケートボード男子個人の
大逆転劇です。
 ほぼ金メダルは難しいという状況で
最後の最後に逆転したということです。

 これまで逆のケースを
何度も見ることがあっただけに
日本にとってこれほど痛快なことはありませんが
相手からするとどうでしょう
何でどうしてと割り切れない思いが
ずっと残るのではないでしょうか。

 勝負の世界です。
勝つものがあれば負けるものがある
否負けるものがあって勝つものがあるということです。
 勝つか負けるかで
天と地ほどの両極端な状況になりますが
実際に競技をする選手の皆さんは
何度もこれまで経験して知っています。

 相手の実力力量であり
勝負への準備と努力を知っているからこそ
試合を終えて勝者も敗者も
互いに相手を讃え合えるのです。

 そこにこそスポーツマン精神
オリンピック精神があると思うのですが
問題はその時どきの競技の結果勝敗にこだわる
私たちの思いはからいものの見方です。

 3年前の東京五輪で新採用になったスケートボードで
日本選手が男女とも金メダルを獲りました。
 その時はテレビの実況中継はなく
他競技の実況中に「ニュース速報」で
快挙を知りました。

 それからが大変でした。
スケートボードを見る目がひっくり返るんですね。
 何度も何度も決勝VTRがテレビで流れ
金メダル選手のこれまでの戦績や
生い立ちまでが報道されて
大フィーバーが起こったものです。

 私たちのものの見方は
自分にとって都合が良いか悪いかで
その時どき様々な状況で簡単にひっくり返るんです。

 勝者は讃えられ
有望選手も敗者になると手のひら返しの扱いで
忘れられていくのです。
 今はSNSで思わぬ結果に腹を立て
誹謗中傷の的にまでなるのです。

 すべてが自分中心の思いはからいで
良かった悪かったと生きて
苦悩し迷う私たちの有り様です。

 阿弥陀如来はそんな私たちを
「煩悩具足の凡夫」と見てとって
「われにまかせよ、そのまま救う」と
南無阿弥陀仏と喚んでくださり
大きなお慈悲の中に共々に生かされる世界に
導いてくださるのです。

 オリンピックは続きます。
これからも勝った負けたといって
メダルの色や数が話題になるでしょうが
それはそれでお念仏申しましょう。

 お念仏の世界に勝者も敗者もありません。
すべてのいのちがそれぞれに光輝く
みんなが金メダルの世界を
阿弥陀さまが私たちに用意してくださってあるのです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.7.30)

ココナツのエピソード

2024-07-29
 アメリカ大統領選の民主党候補に指名確実な
ハリス副大統領の支持を表すシンボルに
ココナツの絵文字がSNS上で拡散され
注目を集めているそうです。

 小さい頃母親から
「あなたはココナツの木から
落ちてきたとでも思っているの?」と
叱られたというエピソードです。

 若者は何かと不平不満を口にするが
若者も上の世代とつながっており
人間は先人の歩みや周囲との関係性において
存在しているということを諭されたといいます。

 この世のなかのすべての事象には
原因があり幾多の条件が相縁り合って
結果として起こるということで
私たちは色々様々なご縁をいただいて生きているという
仏教の縁起の思想に通じるものです。

 私たちは自分に都合よく
思うようになったことについては
自分の手柄にでもしてしまいますが
様々な人やもののおかげで
生きているということです。

 一方思うようにならないと
周りのものの責任のように批判し責めますが
すべては色んな条件が重なって起こることであり
自分もその中の一人で
全く自分に関係ないことは何一つないということです。

 今の事実に自ら責任をもって向き合うことが大切で
ただ批判ばかりしていても
周りは何も聞いてくれないしただ見ているだけで
逆に関係ないと突き放されることにもなって
結局分断を深めることにもなりかねません。

 私たちは大きないのちのご縁つながりのなかに
共々に生かされて生きているということで
互いに理解し合い課題を共有して
自分にできることをさせていただくことが肝要です。

 自分一人で何ができるというのか
周りの方々に支えられ
生かされて生きているということで
周りを非難するのではなく尊び敬い学ぶことで
ものごとの真実が見えてきて互いに理解を深め
チームとして何を為すべきか共に考えていくなかに
課題を見つけ反省して
次の段階に進むことにもなるということです。

 これからハリスさんが大統領候補として
広く支持を集めていくときに
ココナツのエピソードは
大事なキーワードになるかもしれません。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.7.29)

サマースクールのご縁です

2024-07-28
   夏休み恒例の
<子ども会サマースクール>を行いました。
 コロナ禍で2回中断しましたが
今回で42回目の開催になります。

 今は若い住職が企画運営をしてくれていますが
坊守が「よくやってきましたね」と言いました。
 1泊2日の基本的なプログラム構成で
新しい企画を入れ替えしながら楽しくやってきました。

 お寺の本堂で子どもたち大勢と
寝食を共に生活することです。
 普段の小人数の家族の営みとは大分違うことで
子どもたちには楽しい発見もあったでしょうし
団体行動で自分の思い通りにならないことも
たくさんあったと思います。

 自分の思い通りにならないことで
腹を立てたり喧嘩になったりする子どももいて
大きな声で叱ることも度々ありました。

 今思えば何であんなにと反省することもあって
若かったということでもあるし
熱い情熱も体力もあったんだなと振り返ります。

 参加した子が中高生になり
お手伝いをしてくれたり
20回を過ぎる頃からは
これまでの参加者の子どもたちが
参加するようなこともありました。
 長く続けていればこうした楽しみも増えて
これも仏さまのご縁つながりだなと思います。

 そして門徒さんの理解と協力です。
お家の子や孫ばかりでなく近所の子どもたちにも
「お寺に行こう!」と声かけをしてくれたり
食事のお世話や種々企画のご加勢をしてくださいます。

 お寺の本堂や境内で子どもたちが元気に遊びまわり
子どもたちの大きなお念仏の声が聞こえます。

 昨今の諸事情でサマースクールのあり方も
変わってきますが
これからも皆さんで相談工夫して
子どもたちに喜んでまた来てもらえるお寺に
なってほしいと思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.7.28)

パリ五輪開幕

2024-07-27
 4年に一度のオリンピックが
フランスのパリで開幕しました。
 コロナ禍で一年遅れの無観客の開催となった
前回東京五輪から3年ぶりのオリンピックです。

 あれからもう3年経ったのかと思う一方
コロナ禍の生活が遠い昔の出来事のようにも感じます。

 パリの中心部を流れるセーヌ川を
各国選手団が船でパレードする
初めての競技場以外での開会式です。
 河にかかる橋や両岸で
色んなパフォーマンスが繰り広げられ
雨中にかかわらず多くの観衆の熱狂的な声援を受け
エッフェル塔前の広場に選手役員が上陸集合して
開会セレモニーが華々しく行われました。

 「広く開かれた世界に」を大会スローガンに
ジェンダー平等など多様性と寛容な社会の実現をと
近年の五輪はメッセージを発しています。

 ただ私たちが生きる現実社会は
差別や貧困、地球環境の問題など
多くの課題を抱える「生きづらい社会」といわれます。

 「平和の祭典」といわれるオリンピックですが
大会期間中の今もウクライナやガザで戦火にさらされ
多くの市民が亡くなっています。

 五つの異なる色の輪が結びつながる
五輪のシンボルマークが示すオリンピックの理念と
現実とのギャップです。

 華やかな舞台やメダル争いに注目が行きがちですが
世界中の周知が集まるオリンピックだからこそ
尊い理念を思い起こし現実に向き合うなかに
「夢の祭典」に終らせない覚悟をもって
真の平和への確かな歩みをさせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.7.27)

ハリスの疾風

2024-07-26
 世界中がアメリカ大統領選に注目するなかで
バイデン大統領が民主党候補を辞退し
ハリス副大統領を後継指名しました。

 何かと物議を醸す共和党候補のトランプ前大統領の
対抗馬としてハリス旋風を巻き起こすことが
できるのでしょうか。
 
 中学生の頃みたテレビアニメ
『ハリスの疾風』を懐かしく思い出します。
 白黒画面いっぱいに
「ドンガドンガラガッタドンガドンガラガッタ
国松さまのお通りだい」と
けんか早くて大食いで勉強嫌いの石田国松少年が
主題歌と共に豪快に行進する姿に見入ったものです。

 世間でいう問題児ですが
スポーツ万能で弱き者の味方の
何か憎めないキャラクターに
どこかで憧れていたのでしょうか。

 小学校の同級生5人で久しぶりに会食しました。
皆すぐ近くに住んでいますが
こうして会ってゆっくり話すことは滅多にありません。

 学校生活のなかにも色んなことがありました。
人それぞれに性格も違い得手不得手もあって
その時どきに付いては離れてを繰り返し
嫌な思いをしたこともさせたことも
あったのではないでしょうか。

 そして今七十路に入って
その当時のことを振り返るときに
こうして同じテーブルについて
為すべき目的も特になく
何気ない話を語り合うことができる
有難さを思います。

 それぞれの人生の道すがらに
縁あって会って別れてまた会ってと
同じ時間を共有させていただく有難さです。

 会って別れる人生ですが
別れてもまた会える仏さまのお浄土があることを
共に聞かせていただきたいと思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.7.26)

円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
0
4
6
4
4
5
TOPへ戻る