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お念仏を申す生活法話

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私たちは念仏ファミリー

2024-08-04
 オリンピックの競技審判の判定について
方々で物議を呼んでいるようです。

 今はビデオ判定を取り入れている競技も多く
判定に不服の場合はその場で検証確認もできますが
基本的には審判の判断に依るところです。

 例えば柔道です。
「ワザアリ」「イッポン」「マテ」と
日本発祥の競技らしく
日本語がそのまま使われますが
その技をどう見るかは審判の判断です。

 公正な判定を審判にまかせるということですが
人間がすることですから誤りもあります。
 どこまでも身びいきな私たちの見方は
日本選手に有利な判定は当たり前のように
そのまますーっと受けとめますが
ちょっとでも不利な判定については
どうこうと文句をつけては
「世紀の誤審」などと
世論を揺るがすようなことにもなります。
 
 オリンピック柔道男子の初戦では
絞め技に入った相手選手が
審判の「マテ」の声の後も絞め続け
6秒後に解かれた日本選手が失神状態になって
結局「イッポン」で負けました。

 「マテ」がかかれば試合は中断し
有効ポイントにならないのですが
ここは審判の判断です。

 判定が覆ることはなく勝負は決着しましたが
SNS上で審判や相手選手への誹謗中傷が止まず
ついには日本選手が「私たちは柔道フアミリー」と
相手選手との二人の写真とともに
SNSでコメントを発信しました。

 私の立ち位置の問題です。
その時どきの勝ち負けの結果だけにとらわれる私たちと
競技の当事者関係者の立ち位置の違いです。

 外野から見ると
応援する選手をひいき目に見ますが
競技する者同士は互いによく分かっていることで
結局はどんな判定もそのまま受け入れ
互いに健闘を讃え合うのが
スポーツマン精神というものです。

 お寺における私の立ち位置です。
同じご門徒でもその立ち位置が変わると
お寺に対する見方も変わります。

 お寺を外からしか見ていない人にとっては
お寺は単なる風景でしょう。
 山門に入って本堂にお参りしない人の見方は
どうでしょうか。
 門徒としてお寺の務め事はするが
自分事として仏法聴聞のご縁に遇っていない人です。
 自分中心の思いでお寺のあり方を勝手に見ては
自分の思い通りにならないと腹を立て批判までします。

 浄土真宗のご縁をいただく
ご門徒有縁の皆さんです。
 お寺の本堂にお参りしましょう。
ご本尊の阿弥陀さまにお念仏お礼を申して
仏法聴聞させていただきましょう。

 阿弥陀さまのご本願のお心
「まかせよ救う」の南無阿弥陀仏のご法義です。
「おまかせします阿弥陀さま」と
本願を信じお念仏申す身にさせていただきましょう。

 自分中心の思いはからいものの見方から
仏さまを中心に真実まことの見方を聞かせていただき
お寺に住まいする私たちと同じ立ち位置で
お寺のあり方を一緒に考えてくださる
「私たちは念仏ファミリー」になりましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.8.4)

  

盆前の大掃除です

2024-08-03
 昨日は朝早くからご門徒衆総出で
本堂庫裡境内等の大掃除をしていただきました。

 8月の盆前と11月の御正忌報恩講前の
年2回の大掃除です。

 猛暑が続く中での作業で大変でしたが
多くの皆さんにお手伝いいただいて
おかげでお寺がすっかりきれいになりました。

 浄土真宗門徒の心意気です。
本当に有難いことです。

 私たちご門徒皆さんのお寺です。
仏法聴聞お念仏の道場のお寺は
多くの人にお参りしていただき
お念仏のみ教えに遇ってほしいとの願いで
先人が建ててくださり
私たちに送ってくれたものです。

 お念仏のみ教えは
阿弥陀さまのご本願
十方衆生を必ず救うのおはたらきです。
 ご門徒に限らず
地域の方々にも広く開かれたものです。

 お寺の外観は私たちを仏法に誘う
荘厳な造りになっています。
 山門をくぐり私たちが日暮らしする世間から
お念仏の道場に入ります。

 お寺をきれいに荘厳することで
皆さんに親しみやすく
お参りしていただきたいと思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.8.3)

お念仏の声となって還って来ています

2024-08-02
 遠縁のお寺のご法事にお参りしました。

 親族ご縁の方々はじめ
ご門徒有縁の皆さんがたくさんお参りでした。
 ご一緒にお勤めをしてお導師のお寺さんの
ご法話お取り次ぎをお聴聞させていただきました。

 お念仏の声が本堂中に何度も何度も響き渡りました。
お念仏の声は
阿弥陀さまの「まかせよ救う」のお喚び声です。

 先にお浄土に往かれた仏さまが
有縁の私たちに
「どうかお念仏申す身になっておくれ」と
お念仏のご縁を開いてくださり
御仏前に私たちを導いてくださったご縁です。

 お勤めしたお経さまのなかで
「南無阿弥陀仏をとなふれば 十方無量の諸仏は
百重千重囲繞(いにょう)して よろこびまもりたまふなり」
(南無阿弥陀仏を称える身になると
 すべての世界の数限りない仏がたは
 百重にも千重にも取りかこみ
 喜んでお護りになるのである)と
ご和讃(浄土和讃)をいただきました。

 本堂にお参りされた多くの方々のお念仏の声が
阿弥陀さまのお徳を讃嘆する十方無量の諸仏方の
南無阿弥陀仏のお喚び声と幾重にも重なって
先に往かれた仏さまが
いつでもどこでもどんな時でも
この世に還って来てこの私を救い護る
おはたらきをしてくださってあると
頼もしく有難く聞かせていただきます。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.8.2)

8月盆月です

2024-08-01
 8月になりました。
連日の猛暑続きで冷房の部屋から
離れられない状況ですが
いよいよお盆参りが始まります。

 私が小さい頃の盆参りは
8月131415日の三日間限定で
早朝から夜日が暮れるまで
丸一日かけてお参りしたものですが
今は10日ほどかけてゆっくりお参りしています。

 ただ一年で一番暑いこの時期に
屋外を回るということで
誰かが坊主地獄といわれていました。

 それも昔の暑さとは比べものにならない今の暑さは
まさに灼熱地獄の様相です。

 昔は扇風機が風を送ってくれました。
そしてお勤めする後ろからお家の方が
団扇で仰いでくれたものです。
 あたたかい夏の思い出です。

 今は扇風機や団扇ではとても追いつきません。
冷房の入った仏間も多くなりましたが
家の中でも仏間は
家族がよく使う部屋ではありませんので
お葬儀やご法事のご縁に
やっと冷房が入るということです。

 お家の人も一緒に仏間に座ってお参りしてくだされば
すぐ実感されることですが
汗を流してお勤めしている仏間のすぐ隣の部屋で
涼しい中で高校野球のテレビ観戦をして
声援する声が聞こえたりすることもありました。

 仏さまのご縁に遇うことの難しさを思いますし
ご縁をいただく有難さを思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.8.1)

「やばっ!」

2024-07-31
 オリンピックはいろんな競技を
一遍にテレビで楽しませてもらって
どの競技を観るか選択に迷うほどです。

 競技自体もそうですが
競技の解説者に注目です。

 日頃馴染みのない新たに採用された種目は
初歩的なルール自体もわからないので
解説に耳をそばだてて聞き入るのですが
新しい言葉それもカタカナ言葉には
中々付いていけません。

 前回の東京五輪から新種目になったスケートボードは
競技の面白さもそうですが
解説者の声に共感させられます。

 「やばっ」という声が何度も聞こえます。
「やばい」ということですが
本来の「状況が不都合で良くない」という意味ではなく
競技者が鮮やかな技を決めた時に発せられる
私たちと同じ観衆目線に立ったそのままの感情で
みんなが共感できる言葉です。
 誰か特定の人を応援しているのではなく
誰の演技でも感動した見事な演技に発せられます。

 ストリートスケボー文化というそうです。
アメリカで少年たちが町中のストリートで
スケートボードを自由自在に操り
技を競ったといいます。
 手すりや階段ベンチなど町中にあるものを使って
遊び心から始まった文化です。

 その演技に点数をつけて競い合い
スポーツ競技になったのだそうです。

 パリで五輪二連覇を果たした堀米選手は
「東京五輪の後何をしていいのか分からなくなった。
地獄のような苦しみだった」と述べています。
 そしてストリートスケボー文化の原点に戻れたことが
良かったと言います。

 選手の苦しみがわからない傍観者の私たちは
ただ無責任にメダルを獲ったその時は大いに持ち上げ
オリンピックが来るとまた次のメダルを期待します。

 周りから見る目と競技の世界にいる選手の目の
大きなギャップです。

 彼らは勝負する競技者でありますが
お互いの技を競い合い
成功しても失敗しても互いの健闘をたたえ合い
喜び悔し涙を流すこともあります。

 東京五輪のときに
勝者に敗者たちが駆け寄り一緒に喜び
敗者に寄り添い健闘をたたえ合った
10代の少年たちが見せてくれた自然の振る舞いです。

 まさにこれが文化だと思います。
文化とはカルチャー
心を耕し豊かにしてくれるものです。
自分だけでなく他者も共にです。

 「やばっ」と自然に出る言葉に
共感の文化を思います。
「ナモアミダブツ」とふと出るお念仏の声です。
 あなたも私も共々にお念仏申して
心豊かに生かされて生きるお念仏の共感の世界です。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.7.31)
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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