ままならない我が身を抱えるこの私をそのまま救うと南無阿弥陀仏の仏さまです
ままならないと言います。思いのままにならない、思い通りにならないということです。
お釈迦さまは「人生は苦なり」とお示しです。
苦とはままならない、思い通りにならないという意味です。
この人生は思い通りにならないというのです。
それは私の周りのものが私の思い通りに言うことを聞かない何もしてくれないということもありますが
実はこの我が身のことがままならない、思い通りにならないということなのです。
自分のことであって我が身がままならない、思い通りにならないとはどういうことでしょうか。
私たちは生きています。いつまでも若く健康でありたいと思って生きています。
しかし我が思いとは裏腹に老いていきます、病気にもなります。
そしてどんな人も必ずこの命を終えていかねばなりません。
生老病死の四苦です。ままならないこの身をかかえて思うように生きることのできない私がいます。
そこに私たちの根本的な苦しみ悩みがあるとお釈迦さまは教えてくれます。
その上で苦しみ悩みを抱えた私たちをそのまま救う仏さまがいらっしゃると教えてくださるのです。
阿弥陀如来の仏さま、南無阿弥陀仏のお救いです。
「まかせよ救う」の喚び声となって私のところに来てくださりご一緒してくださる仏さまです。
そのままの救いです。
私の思いを超えた阿弥陀さまの大きな願いです。
すべてのものを分け隔てなく救うという願いです。
すべてのものと聞いてこの私のことです。
この私にこうしなさいああしなさいと注文を付ける仏さまではありません。
南無阿弥陀仏そのまま救うとおはたらきなのです。
南無阿弥陀仏のお喚び声を聞かせていただきそのまま救われていくと聞かせていただきます。
ナンマンダブツとお念仏申して私の思い通りになるのではありません。
思い通りにならないこの身を抱えるこの私がナンマンダブツとお念仏を申すなかに
そのまま救われていく世界があることをまた有難く聞かせていただきます。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.5.17)
