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お念仏を申す生活法話

甲子園には魔物がすむ

2018-08-19
 夏の高校野球甲子園大会も昨日でベスト4が出そろい
今日は日曜日ですが、選手の故障防止のための休養日ということで、明日が準決勝明後日が決勝ということです。
 
 昨日の準々決勝の最終試合、滋賀の近江高校と秋田の金足農高の対戦で、最終回の9回裏最後の場面です。
ノーアウト満塁からツーランスクイズを決めて金足農高が逆転サヨナラ勝ちしました。
すごいドラマというか、これが高校野球だなと思ったりします。
 近江高校の監督が「私も選手もちょっと球場の雰囲気にのまれました」と言っていました。
甲子園には判官びいきといって、劣勢のチームを応援する観客の心理があります。
だからでしょうか、9回の攻防のドラマがこれまで何度も生まれてきました。
 
 甲子園には魔物がすんでいるといわれます。魔物といっても魔物それ自体を見た人は一人もいません。
ただこの魔物の一つの正体が球場全体がかもし出す何ともいえない雰囲気ではないでしょうか。
それを重圧に感じるか、味方にするかで大きく戦況が変わってきます。
球場全体の雰囲気を味方につけることが勝利の鉄則にもなってきます。
 
 ただこれは選手個々のパフォーマンスで一朝一夕にできるものではなく
常日頃からの練習で培われたチームの力が観客に訴えるものではないでしょうか。
 近江高校の選手にはちょっと気の毒だったと思いますが
金足農高も強豪校でかつてあのKKコンビのPL学園と準決勝で対戦し終盤逆転負けしたという実績があるのです。
大事なところで三振をとれる頼りになるエースを中心によくまとまったチームで
勝って校歌斉唱のときチーム全員が体をそらせて声いっぱい歌う姿が観客を引きつける一つの要因になっています。
 
 私たちの人世にも魔物がすんでいると思います。
それこそこんなはずじゃなかったと自分の思い通りにならない時にそんなことを思うことってありませんか。
 人世には魔物がすむが、ただ仏法の世界では魔物までもがお念仏を護るというんです。
仏法の世界は魔物とかそういうものを超えているということです。
 
 魔物がすむって野球のことでもそうですが、やはり私のあり様なのです。
自分中心に執着する心、はからいが邪魔をするんですね。
勝負でいったら勝とう勝とうと力が入ることが邪魔をするということではないでしょうか。
 
 そのはからいを超えたところに私たちが目指す世界があるということ
すべてのもの魔物といわれるものまでがお念仏の人を護ってくださるというのがこのお念仏の世界です。
 
 阿弥陀さまのお救いは悪人正機、悪人をこそ目当てに救うとおはたらきです。
その悪人こそこの私であると聞かせていただきます。
 実はお念仏の世界には善人も悪人もないんですね。
私この一人を必ず救うとすっとお立ちの阿弥陀さま、南無阿弥陀仏のおはたらきをまた讃嘆させていただきます。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.8.19)
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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