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お念仏を申す生活法話

西から東へ東から西へ

2018-07-29
 台風が来ています。今度の台風12号は今までの台風と全く違うといわれます。
私の中にある台風のイメージは鹿児島に上陸して九州そして日本列島を西から東へ縦断するコースをとるものです。
ところが今回の台風は西から東ではなく東から西へ進路をとって「今までの経験が役に立ちません」とまでいわれます。
 
 どういうことでしょうか。
今までの台風は上陸すると次第に勢力も弱まり速度を速めてそのまま東に進み台風一過は一変晴れ渡ります。
ところが東から西へと逆に進む今回経験する台風は上陸しても速度は速くならずまさに逆行するわけです。
そして台風一過はまだ風も強く雨も残って要注意ということです。
 
 今年は30年に一度とか50年に一度経験するようなという大雨警報が何度も何度もでました。
今までに経験したことがない、これまでの経験が役に立たないということで最大限の注意を促しているのですが
私たちは中々自分のことと受け止めることができず、今までの経験値から自分なりの判断をして
その結果大きな災害を被るということになってしまいます。
 
 話は変わりますが、西から東へということで仏教の歴史を思います。
お釈迦さまのインドから始まってシルクロードを通り中国朝鮮半島を経て仏教が日本に入ってきます。
今はアメリカやヨーロッパにも伝わっていっています。
 
 ところが仏道はというと、三蔵法師と孫悟空の『西遊記』にあるように西へ西へとお釈迦さまの国インドを目指します。
浄土真宗の仏道は阿弥陀さまの西方浄土に生まれてさとりの仏さまに成らせていただくという仏教です。
 
 西から東へといい東から西へといい、私たちは一人としてずっとこのままここにとどまることはできません。
すべてのものは無常の世に生きていると仏さまは教えてくださいます。
 刻一刻と移り変わる生死の迷いのなかにあって苦悩する私たちに
南無阿弥陀仏のお念仏のみ教えを聞かせていただきます。
 
 自分の経験値も何も頼りにならないなかにあって、迷い苦しみ悩む私たちにそっと寄り添い
南無阿弥陀仏「いつも私が一緒だよ」とおはたらきくださり
共に生きてくださる仏さまに成ってくださいました。
 今日一日も台風の中お念仏申して生きてまいりましょう。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.7.29)
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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