火葬待ち
2024-07-22
7月19日NHK朝のニュースから
昨年全国で亡くなられた方が
これまで最高の159万人になり
これからも年間150万人の死亡者が見込まれる
多死社会にあって
首都圏を中心に火葬待ちの状況があるとの
レポートです。
年間1000件ほど葬儀を請け負う葬儀社では
3割ほどが一週間待ちで
これまで最長13日の火葬待ちがあったといいます。
火葬場が込み合う状況はどうすることもできず
火葬までドライアイスで対応しますが
今はご遺体を冷蔵庫で保管するホテルもあるそうです。
火葬までお別れの時間をゆっくり共有できる
ということですが
こんなに長くなると
ご遺族の心境も複雑なものがあるようです。
家族葬という葬儀のあり方が
首都圏から全国に一気に広がって
今は一般的になった大きな理由が
この火葬待ちにあります。
遠方の親族縁者に何度も集まってもらう不便があり
家族だけで葬儀を済ませ
初七日に始まる中陰のお勤めも
葬儀の際に式中初七日なるものをお勤めすることで
後は満中陰のお勤めになるそうです。
仏事の簡素化簡略化です。
こうした傾向は私たちの地方にもすぐ伝わって
今は従来の葬儀をお勤めしないで
亡くなって直ぐ火葬場に送る直葬が
増えているといいます。
自治体公設の火葬場で火葬されます。
諸般の事情があるのでしょうか
以前は昼の1時の葬儀でその後の火葬が通例でしたが
同じ時間に火葬が重なりパンク状態になり
今は火葬の時間が先に決められて
葬儀の時間が決まることになっています。
葬儀のあり方が問われます。
誰もが火葬されて遺骨と遺灰になることで
「人間死んだらゴミになる」と
受け入れられるものでしょうか。
一人の人間がこの世に生まれて生きて亡くなっていく
共にいのちの尊厳を讃えあう葬儀の厳粛な営みです。
大切な方とお別れする悲しみのご縁ですが
そのまま仏さまのご縁といただきます。
人間死んだら終いではなくて
お念仏申して往生浄土の人生を生きて
命終わるときそのまま阿弥陀さまのお浄土に生まれて
仏に成ると
浄土真宗のみ教えを聞かせていただきます。
その人の生きざま死にざまがどうであれ
南無阿弥陀仏のおはたらき一つで
生きても死んでもお慈悲の中と
今日一日も共々に生かされて生きてまいりましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.7.22)
