「後生の一大事 命のあらんかぎり ゆだんあるまじき事」
2022-04-15
今日は90代の親御さんのお葬儀のご縁で
喪主の子どもさんが私と同年代の方です。
昨日は60歳70歳になっての終活の話をしましたが
私の終活であり親の終活でもあります。
老いて病気になったときのこと
そして亡くなったときのことです。
いかに生きるかということについては
楽しく考えをめぐらすことがあっても
いかに死んでいくのかということは
私はもとより家族のことについても考えたくありません。
まだまだ先の話ということですが
いつか必ずその時が来て
大切な家族と別れこの私が命を終えていくという
避けて通れない本当のことなのです。
「後生の一大事 命のあらんかぎり ゆだんあるまじき事」
蓮如上人の時代に生きた赤尾道宗さんが
浄土真宗門徒の心得を伝えてくださった言葉です。
後生の一大事です。
「死んだらどうなる?」
いつか必ずその時が来ますが
その備えはできていますかということです。
臨終の床についている方も最期の最後まで
頑張って生きようとしますし
家族の思いもそうですが
その時が来ます。
その時が来たら慌てます。
臨終の時から葬儀まで長くて三日
今日明日中に葬儀の段取りを決めないといけません。
決まったお寺の門徒檀家のお家でしたら
その心配はありませんが
その時からお導師のお寺を決めるとなると大変です。
今日お葬儀のお家は
生まれた実家が円光寺の門徒というご縁で
初めて門徒になっていただき
お寺とのご縁が始まります。
お寺のご縁は仏さまのご縁で
ご先祖有縁の仏さまからいただいたご縁と
そのままいただきましょうとお話しますが
戦後生まれの私たちは
私が主体の個人主義の社会にあって
自己中心に生きることが身について
先人が私たちに伝えてくださったことを
そのまま聞き入れていただくことが
難しくなったように思います。
今も昔も南無阿弥陀仏のご縁つながりのなかに
共々に生かされて生きてあるということを
今こそ聞いていただきたいと思うのですが
その今がバタバタする間際になってのことでは
当面のことにとらわれて中々決めることができず
後からこんなはずじゃなかったと
後悔することになりかねません。
終活といって日頃から心がけて
ご縁ご縁に聞いておくことが大切なのですね。
「後生の一大事
命のあらんかぎり ゆだんあるまじき事」と
このお朝事のご縁も
お念仏お聴聞させていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2022.4.15)
