「本師源空いまさずは このたびむなしくすぎなまし」
2021-11-22
今日から三日間『高僧和讃』の最後
第七祖の源空讃をいただきます。
今日のご和讃の一首は
「曠劫多生のあひだにも 出離の強縁しらざりき
「曠劫多生のあひだにも 出離の強縁しらざりき
本師源空いまさずは このたびむなしくすぎなまし」
<果てしなく長い間
生まれ変り死に変りし続けてきたものは
迷いの世界を離れさせる
本願のすぐれたはたらきを知らなかった。
もし源空聖人がおられなければ
このたびの生涯もむなしくすごしたことであろう>です。
源空聖人とは親鸞聖人が直接お会いになって
お念仏のみ教えを聞かれたお師匠さんです。
法然さまといった方が一般的には馴染みがあると思います。
親鸞さまが29歳の時に比叡山を下りて
法然さまの吉水の庵を訪ねて35歳まで6年間
阿弥陀さまの本願念仏のお救いの法を聞かれました。
「本願力に遇いぬれば むなしくすぐる人ぞなき」という
御和讃を重ねていただきます。
ご本願のお救いに遇うことによって
この人生を空しく過ごすことはないというのです。
今日の御和讃にも「このたびむなしくすぎなまし」と
出てまいります。
「本師源空いまさずは」です。
法然さまにお遇いすることによって
南無阿弥陀仏のみ教えに出遇い
生死の迷いを繰り返してきた私が
この人生を生き抜かせていただいて
命終わる時に阿弥陀さまのお浄土に往生させていただき
さとりの仏さまに成らせていことができるという
慶びのご和讃です。
この私のことに重ねて聞かせていただきます。
阿弥陀さまのお念仏の救いの法に遇うために
このたび人間に生まれてきたといただくなかに
いよいよ本願を信じお念仏を申す身にさせていただいて
お浄土への人生を生き抜かせていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.11.22)
