親鸞さまのお名前の由来
2021-11-10
親鸞聖人のご生涯で
名前が何回も変わっています。
9歳で出家した時は範宴でした。
29歳の時比叡山を下りられ法然聖人の門下に入ってからは
綽空、善信、親鸞と名乗っています。
この綽空、善信、親鸞という名前は
七高僧さまのなかで龍樹菩薩以外の
天親菩薩、曇鸞大師、道綽禅師、善導大師
源信和尚、源空聖人のそれぞれ一字を
取って付けられたお名前です。
そこで今日の第五首目の御和讃です。
「天親菩薩のみことをも 鸞師ときのべたまはずは
他力広大威徳の 心行いかでかさとらまし」
<天親菩薩の『浄土論』の教えを
曇鸞大師が『往生論註』に
詳しく示してくださらなかったら
広大ですぐれた功徳をそなえた他力の信心と念仏を
どうして知ることができたであろう>
とあります。
お正信偈の中に七高僧さまのお名前が出てきますが
一人だけ二回出てきます。
それが天親菩薩です。
「天親菩薩造論説」「天親菩薩論註解」とあります。
天親菩薩の後に論が続きますが
天親菩薩が書かれた『浄土論』です。
その浄土論を曇鸞大師が註釈された
お書物が『往生論註』です。
親鸞さまは『浄土論』『往生論註』を大切にいただかれ
私の仏道はここにありと
法然さまから聞かれたのではないでしょうか。
親鸞の二字は天親と曇鸞のそれぞれ一字を
いただいていることからも伺えます。
天親菩薩は『浄土論』の冒頭
「世尊我一心 帰命尽十方 無碍光如来 願生安楽国」
(世尊、われ一心に尽十方無碍光如来に帰命したてまつりて
安楽国に生ぜんと願ず)と述べられています。
私は阿弥陀さまのお心
南無阿弥陀仏のおはたらきにおまかせして
阿弥陀さまの安楽国お浄土に往生させていただきます
とのおこころです。
「帰命無量寿如来 南無不可思議光」で始まるお正信偈の
親鸞さまのおこころに重ねて思います。
「天親菩薩造論説」「天親菩薩論註解」と
また重ねて声高らかにお勤めさせていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.11.10)
