どんな命もみんなつながって生かされて生きているのです
2021-06-25
東京都の小池知事が公務を離れて休養されるそうです。
コロナ禍で東京の感染状況が一向に収まらず
五輪を控えて課題が多く休む間もないなかで
東京都の都議会議員選挙が今日告示ということで
政治的な憶測も聞こえてきますが
可愛がっていたペットの猫が亡くなったことが
休養の引き金になったのではとの報道です。
これまで幾多の難局を潜り抜けてきた小池さんにして
ペットの存在は家族のように
大きなものだったのでしょう。
昨日わが家の中庭を猫がウロウロしていました。
ペットではありません。
名前も知らないどこかの猫で
挙動不審なものはあっちに行けと追い払います。
町中にクマが出て住民にけがを負わせて
駆除され殺されたといいます。
人間にとって檻の外で自由に振る舞うクマは
害獣であり排除されます。
来月7月の掲示伝道の言葉です。
「蚊も蟻も どんな命も 皆同じ 仏のいのちを 生きている」
と書かせていただきました。
私たちの仏さま阿弥陀如来さまは
十方衆生を救うとおはたらきです。
十方衆生といって
この私のことと聞かせていただきますが
人間だけを救うのではありません。
十方衆生です。
ありとあらゆる世界の生きとし生けるものすべてです。
夏の夜ビューンと飛んで来る蚊は嫌ですね。
追い払うばかりか狙いを定めてパチンと叩き殺します。
小さな甘いものを見つけては群がるように
寄って来る蟻も嫌ですね。
それこそ蚊も蟻も害虫で
駆除の対象です。
どんな小さな生き物も大きなクマも人間も
みんな同じ仏さまの大きな願いの中にあるいのちですと
仏さまは教えてくださいます。
そして人の命も蚊や蟻、クマや猫の命も
どんな命もみんなつながっているというのです。
奈良時代に行基というお坊さんがいました。
全国を歩いてまわり人々に仏さまのみ教えを伝え
ため池をつくったり橋をかけたりと
社会事業をされた方ですが
「山鳥の ほろほろと鳴く 声聞けば
父かとぞ思ふ 母かとぞ思ふ」という歌を詠んでいます。
旅の途中に山鳥の鳴く声を聞いて
父や母のように思う大らかな心持ちです。
すべての命がつながって互いに支え合い
共に生かされて生きている大きな世界を想います。
私たちが生きる現実社会は
仏さまからはどう見えるのでしょうかね。
どこまでも自分中心のものの見方考え方で
生きることで精いっぱいで
周りのものを思いやる余裕もなく
自分の小さな世界に閉じこもって
真実まことのことが見えないままに悩み苦しみ迷っている
そんな私をご覧になって阿弥陀さまは
すべての命が互いに輝き合って共に生きる
大きな阿弥陀の世界に生まれて来いよと
南無阿弥陀仏と喚び通しにおはたらきなのです。
阿弥陀さまのお心南無阿弥陀仏のおはたらきを
聞かせていただきましょう。
お念仏申して今日の一日も小さな命の声に耳を澄ませ
大きないのちのつながりのなかに
共に生かされて生きてあることを思いつつ
お念仏の日暮らしをさせていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.6.25)
