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お念仏を申す生活法話

現生正定聚不退転の位に住す

2021-01-25
 昨日大相撲の初場所が千秋楽で
西前頭筆頭の大栄翔が初優勝しました。

 歳を重ねるにつれて相撲が面白くなり
大相撲のテレビ観戦が日々楽しみになってきました。
 勝負が早くつき勝ち負けがはっきりしていることが
誰にでもわかりやすくてついつい観てしまいます。

 ずっと外国出身力士の優勝が続いて
興味がそがれることが多かったのですが
最近は番付最上位の横綱不在の場所も多く
本当に一番強い力士がいなくて
誰が優勝してもおかしくない状況です。

 初場所の優勝力士の顔ぶれを見ると
6年前に大関琴奨菊が
日本出身力士で10年ぶりに優勝を果たし
6場所続けて初優勝力士が誕生するということで
去年は幕尻の徳勝龍が優勝しました。

 今回の大栄翔も平幕の力士ですが
大関関脇小結の役力士に全勝しての優勝です。

 誰が勝ってもおかしくないというと面白いですが
大相撲には番付があって
番付通りの成績が期待されるところでもあります。
 番付下位から上位を目ざして頑張れることですが
精進努力稽古を怠ると負け越して
下位に落ちるということで不安が伴う厳しい世界です。

 ただ例外が横綱です。
横綱に上り詰めると下に落ちることはないのです。
 だったら大安心ということですが
横綱にふさわしい成績をあげられなかったり
ケガや病気で休場が続くと後は引退ということです。

 生身の体を張っての大変厳しい勝負の世界です。
体力の限界がいずれ来ます。
 横綱にあがったものの責任を全うすることができず
引退に追い込まれた横綱もたくさんいます。

 さて仏教は迷いの私が悟りの仏に成る教えです。
仏に成りたいと願いを起こした菩薩が
自ら修行し五十二段階の位を積み重ねていく成仏道ですが
ある段階までは上がっては下がりと
大相撲の番付のような難行苦行の仏道です。

 それも仏に成りたいとも思わない私たち凡夫には
到底かなわない仏道であり
私たちは所詮救われないのかというと
親鸞聖人は法然聖人から
凡夫のために開かれた仏道があることを聞かれたのです。
 それが念仏一つで救われて仏に成る仏道だったのです。

 南無阿弥陀仏のおはたらき一つでどんな人も救われる
阿弥陀さまの本願他力のみ教えです。
 阿弥陀さまのご本願のお心を聞かせて信心いただき
お念仏申す身にさせていただくと
菩薩の最上位である弥勒菩薩と同じ位につくというのです。

 この身を生きる限りは煩悩具足の凡夫に変わりませんが
南無阿弥陀仏のおはたらき一つで
必ず仏に成るお念仏の仲間にさせていただき
お念仏申してお浄土への人生を生き抜き
この命終わってそのまま阿弥陀さまのお浄土に生まれて
南無阿弥陀仏の仏さまにさせていただくというのです。

 今は現に仏ではありませんが
仏に成るいのちをいただいて生きているのです。
 私たちはこの身を生きている限りは
仏さまからは遠い存在なのです。
 俺が俺が私が私がと自己中心の煩悩の心を
ずっと持ち合わせて生きているお互いなのです。

 阿弥陀さまはこの煩悩具足の凡夫をこそ必ず救うと
南無阿弥陀仏のおはたらきの仏さまに
成ってくださったのです。
 この私をこそ必ず救うとおはたらきです。
私が救われたいと思って
阿弥陀さまにお願いする仏道ではありません。
 阿弥陀さまから見たら背を向けた私に
本願を信じ念仏申す身になってくれよと
願いおはたらきなのです。

 私に頑張れとか何か条件付きのお救いではありません。
阿弥陀さまは私が救われていく全ての手立てを
南無阿弥陀仏に成就しておはたらきです。
 そのご本願のお心おはたらきを聞かせていただき
お念仏申す身にさせていただくのです。

 現生正定聚の位に住すといわれます。
不退転の位といい必ず仏にさせると
阿弥陀さまが決めてくださったといいます。

 不退転の位ですから横綱です。
でも後は引退ではありません。
 お浄土に生まれてさとりの仏さまに成るのです。
死んだらしまいではないのです。
 仏さまに成って南無阿弥陀仏のおはたらきで
この世に還って来て衆生を救うという
大きなおはたらきがあるのです。

 南無阿弥陀仏のお念仏一つで救われるご法義です。
「まかせよ救う」のお喚び声に
「おまかせします」とお念仏申して
今日一日も日暮らしさせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2021.1.25)


円光寺
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