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お念仏を申す生活法話

十余か国の境を越えてお念仏の旅は続きます

2020-07-04
 熊本の方が大変な大雨になっていて心配です。
お見舞い申し上げます。
 
 東海道五十三次の旅は箱根から下ってきて
第11宿場の三島の宿です。
 歎異抄の第二条に関東のお弟子さんたちが
京都の親鸞聖人を訪ねてこられる場面があります。
「十余か国の境を越えて」で始まります。
お弟子さんたちが居たであろう常陸の国(茨城県)を出て
京都まで十余りの国々ということです。
 
 東海道は武蔵の国(東京都)から相模の国(神奈川県)
そして今日の三島は伊豆の国(静岡県)です。
 伊豆の国は唯一三島の宿だけで
これから同じ静岡県でも駿河の国に入って行きます。
 
 私が学生の頃に小田原から箱根を越えて三島に抜ける
同じコースを歩いて旅したことがあります。
 伊豆半島の縦断が目的で
川端康成の小説「伊豆の踊子」の行程を訪ねて
東海道を離れ三島から天城峠を越えて下田に行き
下田から船で三原山で有名な大島に渡る旅でした。
 
 さて関東のお弟子さんたちは十余か国の境を越えて
「身命をかえりみずして」と続きます。
 まさに命がけで親鸞さまのもとを訪ねたわけは
ただ往生極楽の道を問い聞きたいためだったといいます。
 
 親鸞さまのおこたえは
「ただ念仏して弥陀にたすけられまゐらすべし」という
法然さまの仰せを信ずるほかにはないとのことでした。
 そして私の信心はそのこと一つであり
あなたがたがお念仏を信じようとも捨てようとも
それは面々のはからいだと突き放すように言うのです。
 緊迫したすごい臨場感です。
 
 実は私たちのはからいが問題なのです。
お念仏一つで救われる南無阿弥陀仏のご法義は
どこまでも阿弥陀さまのおはからいなのです。
 南無阿弥陀仏の阿弥陀さまのおはからいにまかせて
私のあなたもどんな人も等しく阿弥陀さまのお浄土に
往生成仏させていただけるのです。
 お念仏一つで救われる南無阿弥陀仏のお心を訪ねて
お念仏のみ教えを聞いていけよといわれるのです。
 
 お念仏の旅は往生極楽の道をたずねていく旅です。
私のはからいで生き惑い苦悩し迷う凡夫と見抜かれて
南無阿弥陀仏のおはたらき一つでそのまま救うと
お念仏申し聞かせていただいて
阿弥陀さまのお浄土参りの旅を
これからもご一緒に続けてまいりましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.7.4)
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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