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お念仏を申す生活法話

悪口が出る愚痴も出る他の命を奪うこの口からお念仏が出てくださいます

 コロナ禍の外出自粛の生活で人と人とが会うことが難しくなりました。
ただ今はネット社会でオンラインで人と人とがつながります。
 遠く離れた人と即座につながって顔を見て言葉を交わせます。
日進月歩の科学技術の進歩で私たちの生活は飛躍的に変わりました。
 
 ネットのSNSで誹謗中傷された女性プロレスラーの方が自殺され大きな問題になっています。
仏教でいう身口意の三業の口業です。
 私たち人間が行うすべての行為を3種に区別し、身に行う身業、口に言う口業、心に思う意業といいます。
仏教でいさめる悪い行為に
①殺生(せっしょう/生きものを殺す)②偸盗(ちゅうとう/ぬすみ)③邪淫(じゃいん/よこしまな性の交わり)
④妄語(もうご/うそいつわり)⑤両舌(りょうぜつ/二枚舌、人を仲たがいさせる言葉)
⑥悪口(あっく/ののしりの言葉)⑦綺語(きご/まことのない飾った言葉)⑧貪欲(とんよく/むさぼり)
⑨瞋恚(しんに/いかり)⑩愚痴(ぐち/真理に対する無知おろかさ)の10種があり
その中の4種が口業なのです。
 
 わが身を振り返ってこれまでに人を傷つける言葉を言ったことがなかったでしょうか。
言う側は忘れてしまっても言われた方はずっと忘れられない言葉ってありませんか。
 
 先ほどのSNSの件で有名人がコメントしています。
有名人は特に標的にされやすいといいます。
 「殆どは応援してくれる言葉で元気づけられるが
百の応援の言葉があっても一つ傷つくような言葉はずっと残って忘れられない」と言われていました。
 
 厳しい言葉でも言ってもらうことで気づくこともあり言葉が人を育てることもありますが
ネットの言葉の恐さは相手の顔が見えないということです。
 発信する方もその時の乗りとか感情のままに書き込みをするというようなことを聞きます。
 
 このコロナ禍で見えないウイルスより見える人間の方が怖いと言われます。
十悪といわれる悪業です。
 悪業を積み重ねて後生です。
私たちは何度も何度も生まれ変わり死に変わってこのたびは人間に生まれたといいます。
そしてこの命終えてまた生まれ変わるのです。
 善因善果悪因悪果の道理で
善いことをしたら善い世界に生まれ悪いことをしたらその報いで悪い世界に生まれると聞くと
何かうなずけますが
この私のことでいったらどうでしょうか。
 
 十悪の一つとして思い当たらないことはありません。
まさに十悪を積み重ねてきた私です。
 その私が後生に生まれるところは地獄でしかないと
親鸞聖人は「地獄一定すみかぞかし」といただかれ
地獄に真っ逆さまに堕ちる私をそのまんま抱き取ってくださる仏がいらっしゃっると教えてくださいます。
南無阿弥陀仏の阿弥陀さまです。
 南無阿弥陀仏とわが名をよんでくれよとのおはたらきにあって
この口からお念仏が出てくださるのです。
 悪口が出る愚痴も出る他の命を奪うこの口です。
南無阿弥陀仏のおはたらきが十悪罪業の私に届いてくださってあるおすがたです。
 
 声に出してお念仏申しましょう。
その声は私の声であって阿弥陀さまのお喚び声です。
 私だけではなく私の周りの人にも聞こえるその声は
すべてのものを分け隔てなく必ず救うとおはたらきの尊い南無阿弥陀仏のみ名なのです。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.5.30)
 
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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