「月影の いたらぬ里は なけれども 眺むる人の 心にぞ住む」
昨日月の話をしました。
法然聖人がよまれた歌に
「月影の いたらぬ里は なけれども 眺むる人の 心にぞすむ」があります。
月の光が届かない人里はありません。
すべての里に届いていますが月を眺める人の心にこそ届いてあるというのです。
月の光は闇夜を照らしてくれます。
月の光の有難さですが月を眺めて思う人はなかなかいません。
お念仏のお心を歌でたとえて教えてくださっています。
阿弥陀さまの智慧の光明に照らされて
私たちは南無阿弥陀仏の大きな大きなお慈悲のお救いのなかにあるのですが
阿弥陀さまのお心を聞くことがなかったらもったいないことです。
月を眺めて「本当にきれいだなあ有難いなあ」と心に思うように
仏法に遇わせていただいた人は「ああ有り難いことだなあ」とお念仏を申す人になるというのです。
私たちの日々の生活を振り返るとき
当たり前当たり前と過ごしていることが何と多いことでしょう。
当たり前ということが本当に有り難いと知らされるのが
今のコロナ感染禍のなかでの私たちの日暮らしではないでしょうか。
今まで気づかなかったことに気づかせていただける
今まで見えなかったことが見えてくると
お念仏のお心おはたらきをいただきます。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.4.21)
