「お遺骨にお経をあげてほしいのですが…」
昨日電話がありまして初めての方からです。
お遺骨を家にずっと置いていてお経をあげてほしいということです。
電話では詳しい事情まで分かりませんが
お寺に何日の何時に来てくださいお勤めをしましょうということで電話を切りました。
それから私が留守をしてその間にその方が直接お寺に訪ねてみえて30分ばかり話をして帰ったということです。
坊守が対応したのですが後で話を聞けば聞くほどややっこしいお家の事情があって
その後また私の方から先方にお電話をしました。
前にお約束した時間に来てください、お勤めをしてお話もさせていただきます
そしてこれからのことについてもご相談させていただきますという内容です。
お家にお遺骨があるということで何か深いご事情があるのかなと思ったりします。
家族の方の最も大切なお方のお遺骨です。
供養です。お経をあげて供養をしてもらうといいます。
供養してもらわないと故人が浮かばれないとか後に遺った者に禍を引きおこすというような話も聞きます。
追善供養といって亡き人のために善根功徳を追加しようとする行為です。
仏教では讃嘆供養ということで
お遺骨にお経をあげて供養するのではなくて
先に往かれた方を仏さまと敬うなかにこの私が仏法を聞かせていただくことが肝要なのです。
私が供養するのではなく仏さまから供養されているということです。
南無阿弥陀仏のおはたらきで養われ護られお育てをいただくのです。
有縁の大切なお方とお別れする悲しいご縁ですが
私たちの阿弥陀さまは深い悲しみのなかに沈む私を必ず救うと南無阿弥陀仏のおはたらきとなって
仏さまのご縁としてくださるのです。
仏法を聞いてくれよお念仏を申す身になってくれよとのおはたらきです。
このたびのご縁も仏さまのご縁といただいて
ていねいに向き合ってご相談させていただきたいと思います。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.11.8)
