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お念仏を申す生活法話

火宅無常の世界にあってただ念仏のみぞまことといただきます

 沖縄の首里城がメラメラと炎をあげて燃え上がり焼け落ちる様子をテレビで観ました。
何も為す術もなくただ茫然とながめるしかない沖縄の人たちの悲痛な思いが伝わってきます。
 
 諸行無常すべてのものは止まることなく日々移り変わり必ず滅していくと聞かせていただきます。
火宅無常と燃えさかるわが家に譬えて火事は私が今まで大事にしてきたもの全てを焼き尽くします。
 
 私たちのこの身の上のことです。
私たちは日頃いろんなものを当て頼りにして生きています。
 それは健康であったりお金であったり家族であったりですが
私たちは命終わる時にそれまで大事に握りしめていた一切を手放していかねばなりません。
 私の命の依りどころと大事に思っていたものが何も役に立たないというほどに
本当のところ当て頼りにならないものを私たちは当て頼りにして生きているのではないでしょうか。
 
 歎異抄に「煩悩具足の凡夫 火宅無常の世界は よろづのこと みなもつてそらごとたはごと まことあることなきに
ただ念仏のみぞ まことにておはします」という御文があります。
 
 この身この世の中のことはすべてそらごとたわごとばかりで何一つ真実なるものはない無常のなかにあって
ただ念仏だけが真実まこと変わらないものですとの仰せです。
 無常の世に凡夫の身を生きる私もお念仏ひとつで救われていくんだよとの教えです。
 
 昨日は前住職の21年回のご法座をご門徒皆さんとお勤めしました。
往生して20年になります。
 前住職のみならず阿弥陀さまのお浄土に先に往かれた私たちのお念仏の先人の遺徳です。
私たちに真実変わらない南無阿弥陀仏の法を遺してくださっているのです。
 
 南無阿弥陀仏を遺してくださったおかげで昨日のご縁ができました。
皆さんが今日こうしてお朝事にお参りされているのも先人が遺してくれた南無阿弥陀仏のお徳おはたらきです。
 
 先人たちが遺し伝えてくださった南無阿弥陀仏はこれからもずっと遺っていくのです。
私の口から出てくださるお念仏となって遺ってくださいます。
 確かに健康は大事です。お金がないと日々の生活がおぼつかないです。家族は大きな大きな支えです。
人と人とのつながりのなかにこの世を生きる私たちですが
南無阿弥陀仏の大きないのちに抱かれてお互いに生かされて生きていると聞かせていただきます。
 
 ご一緒に、お念仏申しましょう。(2019.11.2)
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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