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お念仏を申す生活法話

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不適切な発言

2024-04-04
 またしても某県知事の不適切な発言です。
入庁式で新入職員を前に激励のエールをおくる訓示が
いろんな職業に携わる人を差別する発言になったとの
指摘です。

 知事は改めて発言の真意を述べる会見で
「マスメディアに言葉を切り取られて
私の真意が伝わっていない」としたうえで
唐突に知事を辞職する意向を述べて退席しました。

 これまでにも何度もあったことです。
話の内容はそれぞれ違いますが
その話しぶりはその場にいる人を持ち上げるのに
他者を貶め軽んじて比較するという同じ手法です。

 わかりやすくて受けがいいとでも
思っているのでしょうか
その場の雰囲気を和ませるかのように思い込んで
政治家がよく口にする発言です。

 実際こうした発言は身内の会でよく行われることで
会場の笑いを取るようなこともあって
こうした発言がずっとまかり通ってきたのでしょうか。

 私たちも日常生活を営むなかで
人人と向き合い言葉を交わして生きています。
 言葉はお互いの思いをはかり
人間関係を円滑にする大事な手段ですが
逆に人を傷つけるようなこともあります。

 特に公の人の発言は
その発言が及ぼす影響はよくも悪くも大きなもので
発言には十分配慮が必要ですが
口達者な方ほどその場の雰囲気に流されて
リップサービスのように
言わなくてもいいことまで言って
逆効果なこともあります。

 私たち僧侶も大衆にご法話という
仏さまのお話をする機会があります。
 仏さまの教えのお取り次ぎですから
そのまま話せばよいことですが
わかりやすく聞いていただけるように
世間のたとえ話などを織り込んで話すことがあります。

 お話をどう受け止めるかは聞く人の心情ですが
話の内容によっては
嫌な思いをする方もいるということです。

 お寺の本堂や大きな会場に招かれて
お話をするときに
人数が多いことを自分の手柄のように勘違いして
大衆受けするお話をするようなときに
落とし穴が待っています。

 ご法話のお取り次ぎは
僧侶からあなたへの
一方通行のその場限りのご縁ではなくて
話し手も聞き手も
同じ仏さまのご縁をいただいて
仏さまのお心を共に聞かせていただくことが肝要です。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.4。4)

過去帳の空白 ※転載

2024-04-03
 「どんな人だったのかなと、あれこれ想像しながら
手を合わせています」

 古くからの門徒さんですが
毎朝、お内仏にお参りされるときに
過去帳を開いては
その日がご命日に当たる人を思われているのです。

 この家に嫁いで半世紀
それでも江戸時代の終わりごろから、平成の時代まで
過去帳に記入してある十四人の名前の中で
実際に知っているのは、わずか三人で
他の十一人は、話だけは聞いているか
古すぎて話にも出てこない人です。

 でも、それだけに
「あれこれと空想する楽しさがある」と
言われました。

 ああ、この人は明治維新を体験されたのだとか
こちらは戦争ばかりの時代で大変だったろうなとか
そんなことを思うのだそうです。

 なるほど、そうすれば
単に見も知らぬ人ではなく
過去の人が今に生きる人に変わりますし
お仏壇という形で
代々伝えられてきたものの大切さも
より深く感じることができるのではないでしょうか。
 
 そして、もっと言えば
十四人の名前がある過去帳でも
空白のページの方が多いのです。

 二日の欄に一人
六日に二人の名があり
三日から五日には何も書かれていません。

 しかし遡れば
ご先祖の数は何千人にも何万人にもなるのですから
名前は分からなくても
毎日毎日が、どなたかのご命日なのです。

 実際に顔を見て言葉を交わした人だけが
縁のある人でもなければ
名前が載っている人のみがご先祖ではない。
過去帳の空白は、それを告げているのです。

  ※菅純和著「仏事の小箱」
         『御堂さん』2024年4月号より

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.4.3)

日本人全員が「佐藤さん」になる

2024-04-02
 約500年後に日本人全員の名字が
「佐藤さん」になるかもしれないという報道に注目です。
 
 東北大学の研究機関が発表した
選択的夫婦別姓にしない場合の試算ですが
未婚率が増加し出生率が減少するなかで
今名字で一番多い「佐藤さん」が
年々確実に増え続けるということです。
 
 全員が「佐藤さん」になると
私たちの社会生活に大きな支障が出てきます。
佐藤さんだらけではその人人の判別が難儀になります。
 
 お寺の門徒さんのことでいうと
同じ名字の方が様々にたくさんいます。
 電話で「どこどこの○○ですが」と名字を名乗られても
同じ集落に同じ名字の方が多く居て
「○○のどなたですか」と聞き返すことがしばしばです。

 これが「佐藤さん」一色になると
今の名前とは違う
個々の判別法を考えなくてはなりませんね。
 
 選択的夫婦別姓に慎重な代表的意見は
夫婦別姓になると家制度の根幹が揺らいで
家族のあり方そのものが
根本的に変わってしまうというものです。
 
 今の家族のあり方です。
人口は都市部に集中し続けて
今や核家族が普通の家族のあり方になりました。
 もはや以前の3世代4世代が同じ屋根の下で暮らす
大家族の有り様はなくなり
旧来の家制度は実質なくなっているというのが
現代社会の現実なのです。

 このことはこれからのお寺のあり方にも
直接関わる問題になってきています。
 
 同じ地域でお寺を取り巻くように
日暮らししていた門徒衆が
都市部に移り住むようになり
寺離れが進んでいます。

 墓じまい仏壇じまいの話題が
テレビ新聞に普通に取り上げられるようになりました。

 ご門徒の減少はお寺の存続の危機です。
お寺をいかに護持運営していくのか
喫緊の重い課題ですが 
ここはお念仏のご法義中心に
本来のお寺のあり方を見直す
チャンスでもあると思うのですが
皆さんはどう考えますか。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.4.2)

新年度のスタートです!

2024-04-01
 4月1日、新年度のスタートです。
新入生や新入社員が学校や職場にあふれ
社会全体がフレッシュな装いです。
 
 4月1日は老若男女どんな人にとっても
特別な日のようです。
「さあやるぞ!」と思いがふくらみます。
 
 今年一年の営みの始まりですが
一日一日の積み重ねです。
 私たちは生活ぶりはそれぞれ違いますが
どんな人も今日一日を生きています。
 
 同じ学校で職場で家庭で共に生きるなかで
その生き方は様々で
衝突したりすれ違ったりすることもありますが
共々にお念仏申す生活をさせていただきましょう。
 
 お念仏申して今を生きる日々の営みです。
南無阿弥陀仏のお心をたずねて
今日一日も往生浄土のお念仏の道を
歩ませていただきましょう。
 
 お念仏申して「来いよ」「往けよ」の
弥陀釈迦のよび声に乗じて
新年度のスタート今日一日の始まりです。
 
 あなたも私も皆共にご一緒しましょう!
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.4.1)

六七日のご縁です

2024-02-20
 母が往生して六七日のご縁です。
大切な人とお別れする悲しみのご縁ですが
そのまま仏さまのご縁といただける有難さです。
 
 先にお浄土に往かれた方は
今は仏さまとなって私たちの迷いの世界に還って来て
私たちを護り救う
南無阿弥陀仏のおはたらきをしてくださっていると
浄土真宗のみ教えを聞かせていただきます。

 お仏壇の向かって左上方にご安置の
本願寺八代目宗主蓮如上人のお話です。

 ご開山親鸞さまと左右に並んで
ご本尊の阿弥陀如来さまを拝んでいるお姿です。
 浄土真宗を開かれたのが親鸞さまですが
そのみ教えを全国津々浦々に伝えてくださったご功績で
蓮如さまを本願寺中興の祖と仰ぎ敬います。

 七日七日のご縁に親鸞さまのご著作である
『正信偈和讃』をお勤めしますが
このお勤めを浄土真宗の日常勤行として
僧侶も門徒もご一緒にと始め勧められたのが
蓮如さまです。

 大変画期的なことでした。
お経を読誦お勤めするのは僧侶の役割と
思ってらっしゃる方が多いのではないでしょうか。
 
 お経をお勤めすることは
そのままお経に説かれた教えを
聞かせていただくことです。
 お経は本来お釈迦さまが説かれたものですが
お経のお心を親鸞さまが記された『正信偈和讃』も
私たちは同じように聞かせていただきます。

 先に往かれた方に聞かせるのではありません。
先に往かれた仏さまが
この私に聞かせていただくご縁です。
 僧侶だけでなく門徒も有縁の方々も
聞かせていただくのです。

 私の声に称えて申すお念仏です。
そのまま南無阿弥陀仏と聞こえてきます。
「われにまかせよ 必ず救う」の
阿弥陀さまのお喚び声です。

 私が声に称えることで
お経のお勤めがお念仏が身近なものになります。
 そのお念仏の声が隣の人有縁の人に届いて
子や孫の次の世代へとつながってきたのです。

 悲しいご縁ですが
御仏前に座りご一緒にお念仏申させていただきます。
 お念仏のご縁に遇って
南無阿弥陀仏のお心おはたらきをいただき
往生浄土の人生を歩んでほしいと
親鸞さま蓮如さま先に往かれた仏さまの
お念仏のご催促と有難く聞かせていただきます。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2024.2.20)

円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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