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お念仏を申す生活法話

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「鐘の鳴る丘」

2020-10-22
 朝から雨になりました。
昨日の朝は冷え込みましたが今日は温かく感じます。
 
 毎朝NHKの連続ドラマを観ています。
今作品は『エール』です。
 作曲家の古関裕而さんの半生を綴ったドラマで
昨日は大きな展開に変わる場面でした。
 
 戦争中は軍歌とよばれる戦時歌謡を次々に世に出します。
若者を戦地に送り多くの方々が亡くなっていかれたことで
終戦直後は自責の念にとらわれ思い悩み
これからは音楽に関わらない作曲はしないと言われます。
 
 その古関さんに声をかけたのが劇作家の菊田一夫さんで
ラジオドラマ『鐘の鳴る丘』の主題歌の作曲を依頼したのです。
「緑の丘の 赤い屋根 とんがり帽子の 時計台 鐘が鳴ります
キンコンカン メーメー 小ヤギも 鳴いている…」の歌です。
 
 昭和22年のことで当時はテレビはありませんから
ラジオが大衆の唯一の娯楽でした。
 日本津々浦々に放送され
ドラマと共に主題歌も大ヒットしました。
 毎週月曜から金曜までの15分間の放送で
3年半続いたそうです。
 
 私はそれ以降の生まれですが
物心ついたときからその歌を覚えています。
 ラジオから直接聞いて覚えたのではありません。
私の周りの人がよく歌って聞いていたのだと思います。
 歌い継がれてきた歌が
私の口で私の声で歌っていたのですね。
 
 昨日の放送で合唱団の子どもたちが歌うシーンがありました。
何かジーンときました。
 とても懐かしい思いがしました。
エールをおくられているような気持ちになりました。
 
 歌声のエールです。
声の応援です。
 私の口から声となって出てくださる南無阿弥陀仏です。
阿弥陀さまのお喚び声です。
南無阿弥陀仏と私のところに届けてくださったお念仏です。
 
 私が生まれるずっとずっと遠い遠い昔から
「わが名を称えてお念仏申しておくれ
どんなことがあってもいつも私が一緒だから安心して
あなたはあなたのいのちを輝かせて一緒に生きて往こうね」
と声の仏さまとなって阿弥陀さまがご一緒です。
 
 ナンマンダブツとお念仏申す私の声ですが
懐かしい私のご先祖有縁の仏さまの声といただきます。
 まさに私が生きる依りどころとなって
心底から支えてくださる仏さまの声援です。
 
 『エール』のドラマにかえれば古関さんは
戦後も数多く作曲をされて人々にエールをおくっていきます。
 戦時中の痛みをずっと抱えながら
『長崎の鐘』を作曲され集大成は東京オリンピックマーチで
世界中の人々にエールをおくります。
 
 古関さんだけでなく私たちの先人が培いおくってくれた
尊いいのちの礎の上に今日のこの一日があることを
お念仏申してまた思わせていただきます。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.10.22)

運転免許証の更新に行きました

2020-10-21
 昨日運転免許証の更新に行きました。
明野のセンターは大きく広く県内から多くの人が
連日集まってきます。
 更新手続きのシステムがうまくできていて
流れ作業のようにさまざまな業務が行われ
最後に講習を受けます。
 
 講習の中で次回の講習の話になりました。
次は5年後ということです。
 今私は68歳ですから次は5年後の73歳で
70歳を超えたら高齢者講習が要るという説明でした。
 
 あらためて自分の年齢を思うと
もうこんな歳になったのかとしみじみ思います。
 体調も良くまだまだ元気で大丈夫ということですが
年齢的には立派な高齢者です。
 
 73歳の私のこと周りのこと色んなことを想います。
どんな人生を送っているのでしょうか。
 過去を振り返ることはあまりありません。
まだ前を向いて行く思いの方が強いのですが
5年後10年後の私です。
 今のような体調を維持することは難しいでしょう。
老いることはあっても若返ることはありません。
 20年後はどうかな30年後はと想うと
せつなくもの悲しい思いにもなります。
 
 今月の掲示伝道の言葉は
「あなたの いのち 今 一番 輝いているよ」です。
 仏さまは今をこのいのち輝かせて生きて往こうと
南無阿弥陀仏のおはたらきでご一緒してくださると
聞かせていただきます。
 
 過去をいくら悔やんでもやり直すことはできません。
未来をどんなに思い描いても夢でしかありません。
 この身を今生きていること
これは確かな事実です。
 現実にしっかり向き合って
今をいかに生きるのか
南無阿弥陀仏のみ教えに聞かせていただきます。
 
 今を生きる。
私たちの日々の生活です。
 皆さんそれぞれに生活ぶりは違いますが
南無阿弥陀仏とお念仏申して共々に
お浄土への人生を生きてまいりましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.10.21)

「これでやっと安心できました」

2020-10-20
 昨日の午後神戸からご門徒の方が
納骨堂を求められてお寺にみえました。
 朝早く神戸を出られて大分市の少し遠方にある
お家の墓地の墓じまいをしてお遺骨を取り出し
円光寺に持参されたということです。
 
 お家の納骨壇を決めていただき
骨壺は一旦石材店に預けてきれいにしてもらって
来週ご親族の方に連絡して本堂でお勤めをし納骨をする
段取りを決めて神戸に帰られました。
 
 一日かけてお一人で大変だったと思います。
ずっと気になっていたということで
お寺にもご相談いただいていたことですが
「これでやっと安心できました」と言われました。
 
 実感です。
そうですよね
ご先祖のお遺骨を預かるという責任です。
 粗末にできません。
丁寧に丁寧にということです。
 
 ただ私たちの生活です。
それぞれお家お家のご事情も異なります。
 遠く離れているということもあります。
時間が経つと中々思うように動けなくなり
この命終えてくなかで
後々のことをあれこれ考えると
心配事がいろいろ増えてきます。
 
 私たちのお寺があることの安心です。
お寺はご門徒皆さんの安心できるところです。
「お遺骨をお預かりします安心してください」
と言いました。
 この私もいつか命終えていきますが
このお寺はずっとこれからも続いていきます。
 
 お寺はこれまでもずっと続いてきたのです。
お念仏の先人ご門徒皆さんの思いが
いっぱいこのお寺に詰まっているのです。
 
 どうぞまかせてくださいと私が言うのではなく
私たちのご本尊の阿弥陀さまです。
 「まかせよ安心しなさい必ず救う」の
南無阿弥陀仏のお心おはたらきです。
 
 阿弥陀さまのお救いこそが私たちの安心なのです。
その安心はこの命終えてからのことでもありますが
今の安心です。
「安心しました」のその一言です。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.10.20)

信長と光秀

2020-10-19
 日の出が遅くなり朝が急に暗くなった感じです。
毎朝6時前にお仏飯をお供えに本堂に参りますが
今朝は暗くて廊下の電気をつけました。
 6時の梵鐘を撞きに外に出ますと
境内の外灯が光り輝いています。
 薄明るい中ではあまり目立ちませんが
暗くなればなるほど輝きが増してきます。
 煩悩を抱えた暗い心の身をそのまま照らしてくださる
阿弥陀さまの智慧の光明を有難く思います。
 
 昨日久しぶりに大河ドラマ『麒麟がくる』を観ました。
いよいよ織田信長と明智光秀の関係が
クローズアップされてきます。
 
 将軍が住まいする二条城築城の場面です。
城の石垣に信長は石仏の石を使うことを命じます。
 そのことに違和感を覚える光秀の思いを察してか
信長は幼い頃仏像を倒して母親にひどく叱られ
「仏の罰が当たると脅されたが何も起こらなかった」と
笑いながら石仏の頭を叩いて光秀に言うのです。
 
 石仏といって同じただの石ではないか
その石で城の石垣をつくって何が悪いということです。
 信長と光秀のものの見方考え方のズレです。
それも殊仏さまについてです。
 
 信長がめざすのは戦国の世の天下統一です。
その目的に抵抗する者は仏でさえも力でねじ伏せる
比叡山の焼き討ちであり本願寺との石山合戦です。
 
 本能寺の変で信長を討った光秀の心層は謎ですが
信長に対する光秀の不信感の表れをみるシーンでした。
 
 石仏野の仏です。
食べることさえかなわない世の人々の日暮らしにあって
仏に祈り願うことは誰もが許されることでしょう。
 そのささやかな心をも踏みにじるようなことは
どんな権力者でも許されません。
 
 時代は移り変わっても
人が織りなす生活は思い通りにはいきません。
 迷いの世を生きる人々の苦悩は
今も昔も変わりません。
 
 今日も皆さんこうして御仏前に座らせていただき
ご一緒にお勤めができ手が合わさって
お念仏申して阿弥陀さまにお礼ができました。
 
 苦悩の凡夫この私をいつも思いとり
必ず救うまかせよと南無阿弥陀仏のおはたらきに
生かされて今日も一日お念仏申して生きていける
身のしあわせを有難く思います。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.10.19)

満中陰のご縁です

2020-10-18
 急に寒くなりました。
夜中に目が覚めて毛布を一枚出しました。
 輪袈裟も気になっていましたが
冬の輪袈裟に変えました。
 日々の移ろいのなかに
日暮しさせていただいていることです。
 
 昨日今日と満中陰のご縁が続きます。
お葬儀のご縁でご往生から四十九日間
毎週七日七日にお勤めをさせていただきます。
 悲しいご縁ですが
先に往かれた仏さまからいただいたご縁です。
 一つ一つ大切に丁寧に
お勤めさせていただきましょうと申し上げます。
 
 ご遺族ご家族ご親族の方がお参りです。
ご一緒にお勤めをしご法話をさせていただきます。
 先に往かれたお方を偲ぶといいます。
訪ねていくのです。
 これまでご一緒してくださった人生の日々を
訪ねて行く振り返るということです。
 もう一つは先に往かれたお方が往ってらっしゃる
阿弥陀さまのお浄土を訪ねていくのです。
 
 南無阿弥陀仏のおはたらきで
お浄土から私たちの迷いの世に還って来て
私たちを護り救うというお心を聞かせていただきます。
 
 大切なお方とお別れする悲しいご縁ですが
死んだらしまいのいのちではなく
南無阿弥陀仏の無量のいのちとなって
これからもずっとずっとご一緒してくださる
仏さまになってくださったと
悲しいご縁をそのまま仏さまのご縁といただきましょうと
お取り次ぎさせていただきます。
 
 満中陰四十九日のご縁は大きな節目のご縁です。
中陰の間お仏間にご安置していたお遺骨を納骨します。
 お仏間は普段の仏間に戻ります。
これからも日々の日暮らしの中に
南無阿弥陀仏のおはたらきとなっていつでもどこでも
私にご一緒してくださる大切なお方の仏さまです。
 
 日々の生活の中で先に往かれたお方を思うとき
南無阿弥陀仏とお念仏申させていただきましょう。
 南無阿弥陀仏の声となって
「いつも私が一緒だよ
どんなことがあってもあなたと一緒だから安心して
あなたのいのちを精いっぱい輝かせて生きて往こうね」と
仏さまが喚んでくださっています。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.10.18)
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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