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お念仏を申す生活法話

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私たちのお寺の始まり

2023-12-03
 皆さんはお寺というと
大きな高い屋根のお堂を思い浮かべる方が
多いのではないでしょうか。

 お寺のお堂の中心には仏さまがご安置されており
ご本尊の仏さまといいます。

 同じ仏教寺院ですが
ご本尊の仏さまが宗派宗派で違います。
 皆さんにとって
仏教のわかりにくいところだと思いますが
それぞれの宗派の特徴がご本尊の仏さまにあります。

 浄土真宗のご本尊は
阿弥陀如来(南無阿弥陀仏)です。
 浄土真宗のお寺には本堂お内陣の中央に
阿弥陀如来像をご安置しています。

 お立ち姿の阿弥陀さまといいます。
迷いの世界に苦悩する私たちを救おうとご本願をたて
南無阿弥陀仏となって私のところに来てくださり
「われにまかせよ必ず救う」とおはたらきのお姿です。

 浄土真宗を開かれた親鸞聖人は
阿弥陀さまの本願念仏のお救いの法を
法然聖人から聞き受け
ご生涯をかけて人びとに伝えて行かれました。

 その場所は大勢の人が集まるお寺だったかというと
親鸞さまは生涯お寺を持たなかったといわれます。
 身近に居る人々一人一人に
ある時は囲炉裏を囲みながら
ある時は田植えをしながらと
日常の生活の中にあってとつとつと
お念仏の仏法を説かれて行かれたといいます。

 人から人へとお念仏が伝えられ
仏法聴聞の集いの場がお念仏の道場になり
本願寺第8代宗主蓮如上人の頃
その道場が急速に全国的に寺院化して行ったのです。

 お念仏の先人たちのご苦労をいただいて
今私たちに浄土真宗のお寺が伝えられてきました。

 「どうかお寺参りして仏法に遇ってほしい。
阿弥陀さまのご信心を聞かせていただいて
お念仏申す身になってほしい」との
先人の思いがいっぱい詰まった本堂の御仏前に座り
いよいよお念仏聞法の道場として
私たちのお寺が発揮されることを思います。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.12.3)

「法事の役割」 ※転載

2023-12-02
 「いやあ、ひさしぶりだなあ」。
真底、懐かしいという思いに満ちた声が
響き渡りました。

 大阪での法事ですが
東は横浜、西は広島県の福山と
遠隔地に住む、兄弟姉妹が駆けつけて
一堂に会しました。

 思えばコロナ禍の四年間
とにかく人と人は
「離れる」ことを強制されました。

 「集う」とか「寄る」ということが
憚られた月日が長く
辛抱を強いられていたことが
一層、再会の喜びに拍車をかけているようでした。

 その様子を見ていて
これが本来の姿であり
コロナ禍の最中の
ごく少人数で、何か悪いことをしているように
ひっそりと法事を勤めていた
悪夢のような出来事が
つい先日のことであったのが
不思議なように思えました。

 どうして法事をお勤めするのかという理由は
たくさんあります。
 仏縁に出遇うというのが
大切なことであることは言うまでもありませんが
「寄り集う」ことも重要なことなのでしょう。

 親族と言えど
長い間、離ればなれになっていれば
どうしても関係は疎遠になってしまいます。

 法事は、その絆を再び強めてくれる
絶好の場となります。

 法事は三回忌まででいいとか
簡略化ばかり叫ばれる昨今ですが
法事が担ってきた
そうした大事な役割が見失われているのでは
ないでしょうか。

 さらに言えば、法事の主催者は
仏さまとなった亡き人です。
「改めて、生命の繋がりの不思議を思え」
という、仏さまからのご催促。

 そう味わえば
法事はなお意義深いものになります。

(菅純和著「仏事の小箱」/『御堂さん』2023年12月号)

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.12.2)

12月のことば「この一年も生きてきた お念仏申してお慈悲の中に 色々あったが生かされてきた」

2023-12-01
 
 12月になりました。
今年も残すところ一か月となりました。

 この一年を振り返ります。

 公私ともに
私の人生の大きな変わり目の一年でした。

 お寺の住職を退いて前住職になりました。
お寺のお役目が変わることを
日々の生活の中で一つ一つ受け入れていく一年でした。

 葬儀法事をはじめ法務全般を住職がつとめ
私は住職のお手伝いをさせていただきます。

 お坊さんであることには変わりありません。
浄土真宗の僧侶一人の念仏者として
これまで同様お念仏のお同行とともに
往生浄土の道を歩ませていただきます。

 さて皆さんにとってこの一年は
どんな一年でしたでしょうか?

 人それぞれに生活ぶりはさまざまで
同じ家族でもいろんなことがあって
その受けとめ方も違います。

 自分の都合で善いことも悪いことも
ああでもないこうでもないとウロウロすることも
あったと思いますが
どんな時でもどこで何をしていても
南無阿弥陀仏の大きなお慈悲の中に
私たちは共々に
生かされて生きていると聞かせていただきます。

 お念仏申してお念仏のお心を聞きつつ
これからも
私にできる精いっぱいのことをさせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.12.1)

門徒報恩講のご縁です

2023-11-30
 お寺の御正忌報恩講法要をお勤めして
この時期門徒報恩講のご縁で
ご門徒皆さんのお家にお参りします。

 一年最後の月参りのご縁です。
報恩講は親鸞聖人のご法事のご縁ですが
お家のご先祖有縁の皆さんのご法事というお心で
きれいにお飾りしたお仏壇の御前に座らせていただき
お念仏お礼を申させていただきます。

 浄土真宗のみ教えに遇って
南無阿弥陀仏のご信心をいただき
お念仏申す身にお育ていただいて
この人生を生き抜き
命終わる時にお浄土に生まれて
さとりの仏に成らせていただきます
と聞かせていただきます。

 お念仏の先人のご恩です。
南無阿弥陀仏のお心おはたらきにつながって
共々に生かされてあることの尊さ有難さです。

 今日一日もお念仏申して
往生浄土の道行きをご一緒させていただきます。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.11.30)

「どんぐりへんぐり」才市さん

2023-11-29
 山陰石見(島根県)温泉津(ゆのづ)の妙好人
浅原才市さんのお話です。

 才市さんは「口あい」とよばれる
多くのお念仏の詩で知られます。

「仏と話をするときは 称名念仏 これが話よ」と
日々の生活が阿弥陀如来のお心と一つになって
御恩報謝の道行きの人生であったといわれます。

「才市さん、うれしいか 有難いか」
「有難いときゃ有難い なっともないときゃなっともない」
「才市さん、なっともないときゃ どぎゃするか」
「どぎゃもしようがないよ なむあみだぶつと 
 どんぐりへんぐりしているよ 
 今日も来る日も やーいやーい」と
自分から自分に問いかけ
それに自分から答えてお念仏の味わいをふかめています。

 南無阿弥陀仏とお念仏を申して
阿弥陀さまとお話をしているようで
如来のお慈悲の中にまかせてゆったり日暮らししている
才市さんの生活ぶりがあたたかく偲ばれます。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.11.29)


円光寺
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