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お念仏を申す生活法話

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箱根の山は天下の嶮

2020-07-03
 今日は東海道五十三次第10宿の箱根の宿です。
小田原から箱根まで4里箱根から次の三島まで4里で
箱根八里といいます。
 「箱根の山は天下の嶮函谷関もものならず」で始まる
『箱根八里』は明治34年に作られた初めての唱歌で
滝廉太郎が作曲したものです。
 
 函谷関というのは中国にある旅程の大きな難所で
箱根の山はそれに負けず劣らず旅人の行く手を阻む
厳しい難所であるといわれます。
 
 箱根駅伝では5区の区間です。
小田原から箱根まで20㎞800mの山を登って行きます。
 箱根駅伝の最近の傾向をみると5区を制した大学が
総合優勝するパターンが多いですね。
 4区までトップのチームを山の神といわれるランナーが
ぐいっと追い抜いて逆に大差をつけます。
 追い抜くのは格好いいですが追い抜かれるほうは
何ともみじめでつらいですね。
 
 お念仏の旅と申します。
思い通りにならないことが多い人生の旅ですが
そのなかでも旅の難所とは本当に何をしても
うまくいかない八方塞がりという状況かもしれません。
 そういう厳しいなかにあっても
お念仏の旅は楽しいというのです。
 
 親鸞聖人は60歳を過ぎて関東から京都にお帰りになり
途中この箱根の難所を越えられます。
 御絵伝という親鸞聖人の御生涯を第三代覚如上人が
書かれたものに「箱根霊告」という場面があって
箱根の険しい山道にさしかかった親鸞さま一行を
「ここを通る大事な方を丁重におもてなししなさい」との
夢のお告げを受けて箱根権現の神官が館に泊めて
歓待されたというお話です。
 
 大きな難所を越えましたが旅は箱根で終わりません。
これから下りの三島です。後43の宿場が残っています。
 
 お念仏の旅の楽しさはさまざまな困難の中にも
阿弥陀さまのお浄土への旅をご一緒できるということです。
 阿弥陀さまの方から迎えに来てくださり
南無阿弥陀仏と喚び続けて
「我にまかせよ必ず救う」と仰せなのです。
「はい」とお念仏申して
今日もまたお念仏の旅を続けてまいりましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.7.3)

「親鸞さまに叱られました」

2020-07-02
 ただ今は東海道中第9宿の小田原の宿です。
小田原は小田原提灯やかまぼこが特産で
戦国時代豊臣秀吉の北条氏小田原城攻めが有名です。
 いよいよこれから箱根に向かって
天下の剣の難所を登っていくという行程です。
 
 昨日は円成会の月例会をしました。
毎月誕生会をしますが7月は大津さんの誕生月で
昨日は早くからお寺に来られて本堂納骨堂にお参りされ
会場のあんのん館に行かれました。
 
 誕生会ではお花のプレゼントをした後で
誕生日を迎えられた感想を一言述べていただくのですが
「さっき本堂に参って親鸞さまから叱られました」と
おっしゃいました。
 最近お寺にお参りしていないじゃないかと
叱られましたと言うのです。
 今月で91歳になります。
親鸞さまは90歳ですから親鸞さまを超えたわけです。
 90歳を過ぎたからといって最近あんまり見てないが
お参りに来いよと叱られましたと何度も言うのです。
 
 その人人の思いですが決して親鸞さまは叱りません。
「ようお参りなさいましたね。
阿弥陀さまにようお参りなさいましたね。
ご一緒にお念仏申しましょう」と言われます。
 ただ大津さんの心情として「叱られました」というのも
ちょっとわかるような気がします。
 
 阿弥陀さまも親鸞さまも蓮如さまも
決して叱る仏さまではありません。
 よう来たねようお参りされたね。
これからもご一緒にお浄土参りさせていただきましょうね
とやさしく声をかけてくださいます。
 
 叱るというのも実は見守っている思っている
ということなのです。
 思っているから叱るんですね。
思っていなかったら叱りもしません。
 思われているのです。
ナンマンダブツとお念仏を申すなかにご一緒くださる
大きな大きな心の支えいのちの依りどころです。
 
 南無阿弥陀仏の大きなお慈悲のおはたらきの中に
私たちの日々の生活があるのです。
 厳しい箱根越えに向かいますが
阿弥陀さまがご一緒してくださいます。
 今日も一日いろんなことがあると思いますが
お念仏を申すなかに共々に過ごさせていただきましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.7.2)

一味平等の阿弥陀さまのお救いです

2020-07-01
 7月に入りました。
一年の半分が過ぎたことになります。
 コロナの影響か今年はいつもの年よりずっと
月日が経つのが早いように感じます。
 いつものことがいつものようにできないなかで
あっという間に毎日が過ぎていくようなことです。
 ただおうち時間が増えて
これまでできなかったことができたり
これまでの生活を見直す機会にもなりました。
 
 東海道五十三次のお話です。
今朝は第8宿の大磯の宿です。
 大磯といいますと吉田茂元首相を思い出します。
戦後日本を大きくリードした政治家の一人です。
 ちょっと気取って葉巻をくわえて鷹揚な感じでしたが
占領下にあって欧米人に対等に接する気概がありました。
 今の麻生太郎副総理財務大臣のおじいちゃんです。
何か人を食ったような言動が似ています。
 
 この大磯は鎌倉に近く広く湘南といわれるところで
吉田茂邸をはじめ財界政界文学界の重鎮が住いでした。
 古くは石原裕次郎や加山雄三
今はサザンオールスターズなど
時代を代表する人たちが好んだところです。
 庶民からいったら別世界ということでしょうか。
 
 私たちのお念仏の旅はそうした地位や名誉財産を得た
有名人だからの旅ではありません。
 世界の片隅で名も知れず貧しい中にも生活している
私たちを目当てに必ず救うとおはたらきの仏さまが
いらっしゃるという教えです。
 ナンマンダブツとお念仏を申してくれよと
喚んでくださる南無阿弥陀仏の仏さまです。
 
 ナンマンダブツとお念仏申すところに
清濁大小いろんな川も大海に入ると一つの味になるように
どんな人も等しく救われる一味平等のみ教えなのです。
 この私こそを目当ての阿弥陀さまのお救いと
聞かせていただいて今日は小田原に向けて
ご一緒にお念仏の旅をさせていただきましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.7.1)

南無阿弥陀仏のいのちの襷をつないで往きます

2020-06-30
 東海道五十三次第7宿の平塚の宿です。
箱根駅伝でいいますと第三中継所にあたります。
東京から約60㎞というところです。
 
 箱根駅伝は各大学10区間の走者が襷を
前の走者から受け継ぎ次の走者に渡して
チームで東京箱根間の往復を走ります。
 
 いのちのバトンというお話を思います。
私は今ここに生きています。
 このいのち人間界にぽくっと生まれてきたのではなく
お父さんお母さんのいのちを受け継いで生まれて
生きているのです。
 いのちのバトンを襷を受け継いで
今私がここに生きてるということです。
 
 昨日は四十九日満中陰のお勤めと
お葬儀のお勤めがありました。
 毎週月曜日七日七日のご縁にお勤めをさせていただき
四十九日満中陰です。
 これがゴールではありませんが大きな節目のお勤めです。
お勤めの後で納骨をさせていただきました。
 先に往かれた大切なお方のいのちのバトンを
いただいたご縁と味わわせていただきます。
 
 お葬儀もそうです。
往生の時から臨終勤行がありお通夜があってお葬儀です。
 火葬場からお遺骨をお供されてお寺の阿弥陀さまに
お礼のお勤めをさせていただきました。
 これから初七日に始まる七日七日のご縁を
お家のお仏壇でお勤めさせていただきます。
 
 何回も何回もお勤めがあって一緒にまとめて
お勤めできないのかという声が聞えてきそうですが
いのちのバトンをいただいて一つ一つ丁寧に
仏さまのご縁に遇わせていただく有難さ尊さです。
 
 南無阿弥陀仏のいのちのバトンです。
そんなに私が一生懸命に頑張ることではありません。
 ナンマンダブツとお念仏申してくれよと喚ばれますから
ナンマンダブツとそのままいただいて
お念仏申させていただきましょう。
 
 ご仏前に身を置かせていただくことが大事です。
仏さまからいただいた尊いご縁です。
 自分のことで精いっぱい生きることで精いっぱいで
忙しく日暮らしする私たちに「ここに座れ」と
仏さまのご催促です。
 
 今日もこうしてお朝事のご縁に仏さまの前に
身を置かせていただきお念仏申させていただきます。
 南無阿弥陀仏のいのちのバトンをいただき
つないでいくことの大切さをまたあらためて思います。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.6.30)

「どんな服装でお参りしたらいいのですか」

2020-06-29
 東海道五十三次第6宿の藤沢の宿です。
鎌倉にすぐ近い所で藤沢市というところです。
 今日はこれから次の平塚の宿に向かって旅をします。
江の島で有名な湘南海岸に沿うように
国道1号線を西へ西へと進みます。
 
 昨日は日曜日でご法事が2件ありました。
ご法事とかお寺のお勤めもそうですが
皆さんが気になることの一つが
どんな服装でお参りしたらいいのか
ということではないでしょうか。
 
 取り立てて着飾ってということはありません。
平服でいいですよとお答えしますが
この平服という服装が一人一人受け止め方が違うのです。
 お坊さんの服装には決まりがあって
平服は布袍と輪袈裟ですが
皆さんのお家でお勤めするご法事では
黒衣に着替えお袈裟も五条袈裟でお勤めをします。
 
 お家によっては皆さん全員が黒い礼服で
お参りされているところがあります。
 予め皆さんで申し合わせるといいのでしょうが
法事に参ったら一人礼服だった一人平服だった
ということで何か居心地の悪いものにもなってしまいます。
 
 礼服は平服ではありません。
平服とは普段着用している服ということですが
Tシャツといったものはどうでしょうか。
ちょっとびっくりするような服装に時々出あいます。
 
 法事は普段のお参りとは違います。
お寺とも連絡を取り合って日時や場所を決めて臨む
厳粛な仏事です。
 お坊さんも普段の着衣ではありません。
平服とはいえご法事をお勤めする気持ちをもって
服装にも心がけていただきたいと思います。
 
 最近のご法事は家族だけで勤める事が多くなりました。
親族縁者の方々がお参りされていないのです。
 ご親族がみえたらちょっと違うと思います。
私たちは常に周りが気になります。
 だからご親族をご案内するときは
ものすごく気を使うと思います。
 
 ご法事は仏さまのご縁です。
仏さまを中心としたご縁ということに心を置かれたら
平服のあり様も大方決まってくるのではないでしょうか。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.6.29)
 
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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