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お念仏を申す生活法話

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人間の思いをはるかに超える大自然の脅威です

2020-07-08
 東海道中第15宿は蒲原の宿です。
行政区でいいますと昨日の富士市から静岡市に入ります。
 富士川を渡ります。
富士川の渡しが広重の浮世絵になっています。
 
 昨日は大分県も大変な豪雨で筑後川が氾濫し
日田天ヶ瀬の温泉街が濁流に飲み込まれる光景は
水の力大自然の脅威をまざまざと見せつけられました。
 夜は夜で雷が鳴り響き物凄い雨になって
今朝どういう状況になっているのか心配で目覚めました。
 
 大自然のいのちです。
大きな自然の営みの中に私たちは共々に生きています。
 自然の恵みをいただいて生かされていますが
大自然は私たち人間の思いを超えた大きな力で
私たちの命そのものを脅かします。
 大自然の恩恵と脅威のはざまに
私たちの先人は大自然と共に共生してきたのです。
 
 私たちの人生を旅にたとえて
穏やかな道中もあれば様々な困難に出くわします。
 旅の途中引き返すことも立ち止まることもままならず
生きていかねばなりません。
 阿弥陀さまと二人連れのお念仏の旅です。
私たちの思いを超えてどんな状況にあっても
いつでもどこでも阿弥陀さまがご一緒です。
 
 南無阿弥陀仏の大きなお慈悲に生かされて
お念仏申して今日一日も生きてまいりましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.7.8)

アラームがひっきりなしに鳴ります

2020-07-07
 東海道中第14宿の吉原の宿です。
広重の浮世絵によりますと左富士といって
海沿いの松林の街道から左に富士山を望むところです。
 
 昨日テレビで大雨情報を観ていましたら
アナウンサーの声が急に変わって
「大雨特別警報が長崎佐賀福岡県に出ました」と絶叫し
「命がなくなる危険が迫っています。
今すぐ安全な場所に避難をしてください。
命を守る行動をすぐとってください」と
何度も何度も言われました。
 
 つい先日熊本球磨川の氾濫があって
多くの方が亡くなり悲惨な状況を目にしたばかりですが
ただ自分のことと受け止めるのは難しく
まだこの辺は私は大丈夫ということでしょうか。
 
 早朝からスマホのアラームが鳴りっ放しです。
早く避難をしてください命を守りましょうと
避難をするときの心得や持ちものまで
事細かに書かれてあります。
 
 「数十年に一度のこれまでに経験したことがない」との
特別警報の発令ですが
九州の同じ地域では数年連続の数十年に一度のことで
これまでに何度も経験した本当に異常な状況が続きます。
 
 この同じ時間にも身の危険を感じて不安ななかに
過ごしている方がいらっしゃると思います。
 アラームです。びっくりします。
私たちに次の行動を促します。
 
 今日も朝6時に梵鐘をつき
6時半の喚鐘でお朝事のお勤めを始めました。
 
 お寺の近くの方はどういう思いでお寺の梵鐘や喚鐘を
聞いているのかなと思ったりします。
 私は皆さんがお参りされる本堂のチャイムの音が
毎日本当に有り難いです。
 
 阿弥陀さまのお喚び声に聞こえてきます。
「今日もお同行がお参りですよ。
準備を整えてお朝事のお勤めをご一緒しましょう」と
南無阿弥陀仏のお名号となって私のところに来て下さり
いつも私と共にご一緒くださる頼もしさです。
 
 お念仏を申してこの状況から助かるということは
難しいかもしれませんが
どんな状況にあっても阿弥陀さまがご一緒です。
 ナンマンダブツとお念仏申して
「必ず救うまかせよ」のおはたらきにまかせて
阿弥陀さまの往くところにご一緒させていただきます。
 
 阿弥陀さまのお浄土であるお念仏の世界に
皆さんと共々にご一緒して
今日もこうしてお朝事のお勤めができたことを喜び
私にできる精いっぱいのことをさせていただきましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.7.7)

「山は富士 海は瀬戸内 湯は別府」

2020-07-06
 東海道中第13宿は駿河の国(静岡県)の原の宿です。
歌川広重の原の宿の浮世絵には
富士山が一面に大きく描かれています。
 他の宿の富士山は背景に小さく描かれているのですが
富士山自体を描いたもののようです。
 箱根を下りて相模の国から駿河の国に入って
すっと富士山の雄姿が目に広がったのでしょうね。
 
 「山は富士 海は瀬戸内 湯は別府」は別府観光の父
油屋熊八のキャッチフレーズです。
 今大分合同新聞に油屋熊八を主人公にした小説が
「万事オーライ」のタイトルで連載されており
楽しく読ませていただいています。
 
 波乱万丈の人生です。
伊予の国(愛媛県)宇和島の米問屋に生まれ
大阪で株で大儲けしたものの散財し
借金をしてアメリカに渡ります。
 数年後日本に帰国しますが
長い船旅の末に富士山が見えた時の感動を
日本の象徴として「山は富士」と詠まれたのでしょう。
 
 小説では熊八は今は別府で小さな旅館業を
夫婦二人で営んでいます。
 大阪から船で瀬戸内海を西に渡ると
そこは豊後の国湯の町別府です。
 何か物語になって絵が描けますね。
 
 お念仏のご法義を重ねて思います。
山は「動かざること山のごとし」の
真実変わらない仏さまの教えです。
 南無阿弥陀仏一つで必ず救うという
どんな時代でもどんな人にでも変わらない教えです。
 
 このお念仏の教えを京都大阪から瀬戸内航路で
お念仏の船に乗せて西に渡って
蓮如上人がこの豊後の国に届けてくださったのです。
 
 そしてお念仏の湯です。
あたたかいお湯にゆったりつかって
疲れた身体を心身ともに癒してくれます。
 どんな人もみんなが入れるちょうどいい湯加減です。
ほっとしてお念仏がナンマンダブツとこぼれます。
 
 お念仏を申して今日の一日を始めさせていただきます。
原の宿を立ち富士の山に見守れながら次の宿を目ざします。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.7.6)

球磨川の氾濫

2020-07-05
 東海道五十三次今日は第12宿の沼津の宿です。
これから駿河の国に入って行きます。
 江戸時代に歌川広重という浮世絵師が
東海道五十三次の絵図を描いていますが
これから富士山の美しい姿が描かれてまいります。
 富士の山を見ながら旅をしてまいります。
 
 昨日は熊本が大水害に遭いました。
特に日本三大急流の一つ球磨川が大洪水となり
何箇所も氾濫してすごいことになっています。
 今は皆さんスマホで撮影が簡単にできますから
臨場感をもって映像を観ることができます。
 スマホ撮影している人は大丈夫なのでしょうか。
濁流と化した水の威力です。
どんなものも根こそぎ持って行ってしまう迫力です。
 命の危険を感じます。
多くの方がお亡くなりになり行方不明になっています。
 
 三年前のこの時期九州北部豪雨があり
福岡の朝倉そして日田が大災害に遭いました。
 次の年は西日本豪雨で去年は関東を中心に台風で
毎年大きな災害が日本列島各地で多発しています。
 
 気象庁は今回「数十年に一度」と特別警戒を発し
住民に避難喚起をしました。
 78年前でしょうか
気象庁が「50年に一度の今までに経験したことがない」
という表現で大雨洪水警報以上の警戒を促す目的で
九州中部を襲った豪雨の時に初めて発表しました。
 
 それから毎年のように「数十年に一度」といいますが
今や常習化しています。
 単なる集中豪雨ではない特別警戒ということです。
これは偶々その地で起こったことではなく
地球温暖化による世界の異常気象がもたらした必然です。
 科学的に原因が明らかに分かっていながら
被害を最小限に防ぐことができず
抜本的な対策がとれないのは何故でしょうか。
 
 私たちの三佐も乙津川大野川に囲まれた洲の地です。
これまでに何度も何度も川の氾濫が繰り返され
その都度治水治岸工事を行って今にきています。
 これで大丈夫と思いたいですが
100%大丈夫絶対大丈夫ということではありません。
 川が氾濫し堤防が切れたら今球磨川沿いの惨事が
そのまま私たちの現実になるのです。
 
 あくなき人間の欲望がもたらした大自然の脅威ですが
「熊本は大変だが大分でなくてよかった」と思うような
どこまでも自己中心の見方しかできない私たちです。
 
 この私をこそ必ず救うという阿弥陀さまのご本願の
お心を聞かせていただきましょう。
 南無阿弥陀仏の大きないのちのつながりのなかに
共々に生かされてある私たちと知らされて
私にできる精いっぱいのことをさせていただくのも
お念仏に生きるもののつとめではないかと思います。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.7.5)

十余か国の境を越えてお念仏の旅は続きます

2020-07-04
 熊本の方が大変な大雨になっていて心配です。
お見舞い申し上げます。
 
 東海道五十三次の旅は箱根から下ってきて
第11宿場の三島の宿です。
 歎異抄の第二条に関東のお弟子さんたちが
京都の親鸞聖人を訪ねてこられる場面があります。
「十余か国の境を越えて」で始まります。
お弟子さんたちが居たであろう常陸の国(茨城県)を出て
京都まで十余りの国々ということです。
 
 東海道は武蔵の国(東京都)から相模の国(神奈川県)
そして今日の三島は伊豆の国(静岡県)です。
 伊豆の国は唯一三島の宿だけで
これから同じ静岡県でも駿河の国に入って行きます。
 
 私が学生の頃に小田原から箱根を越えて三島に抜ける
同じコースを歩いて旅したことがあります。
 伊豆半島の縦断が目的で
川端康成の小説「伊豆の踊子」の行程を訪ねて
東海道を離れ三島から天城峠を越えて下田に行き
下田から船で三原山で有名な大島に渡る旅でした。
 
 さて関東のお弟子さんたちは十余か国の境を越えて
「身命をかえりみずして」と続きます。
 まさに命がけで親鸞さまのもとを訪ねたわけは
ただ往生極楽の道を問い聞きたいためだったといいます。
 
 親鸞さまのおこたえは
「ただ念仏して弥陀にたすけられまゐらすべし」という
法然さまの仰せを信ずるほかにはないとのことでした。
 そして私の信心はそのこと一つであり
あなたがたがお念仏を信じようとも捨てようとも
それは面々のはからいだと突き放すように言うのです。
 緊迫したすごい臨場感です。
 
 実は私たちのはからいが問題なのです。
お念仏一つで救われる南無阿弥陀仏のご法義は
どこまでも阿弥陀さまのおはからいなのです。
 南無阿弥陀仏の阿弥陀さまのおはからいにまかせて
私のあなたもどんな人も等しく阿弥陀さまのお浄土に
往生成仏させていただけるのです。
 お念仏一つで救われる南無阿弥陀仏のお心を訪ねて
お念仏のみ教えを聞いていけよといわれるのです。
 
 お念仏の旅は往生極楽の道をたずねていく旅です。
私のはからいで生き惑い苦悩し迷う凡夫と見抜かれて
南無阿弥陀仏のおはたらき一つでそのまま救うと
お念仏申し聞かせていただいて
阿弥陀さまのお浄土参りの旅を
これからもご一緒に続けてまいりましょう。
 
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2020.7.4)
円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
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