本文へ移動

お念仏を申す生活法話

RSS(別ウィンドウで開きます) 

葬儀のあり方

2023-12-15
 コロナ禍を経て
葬儀のあり方が急激に変わってきています。

 家族近親者でつとめる家族葬とよばれる葬儀が
一般的になりました。

 これまでの一般葬という葬儀も
一般弔問者のお参りは通夜葬儀の前に設定され
僧侶が読経するときは家族近親者だけの参列です。

 そして最近一日葬や火葬式なる葬儀の提案が
葬儀社から新聞広告やネットでされるようになりました。

 一日葬は通夜をしなくて葬儀のお勤めをし
そして火葬という次第です。
 火葬式とは直葬といわれるもので
通夜葬儀のお勤めはなく
そのまま火葬されるというものです。
 
 ここで火葬式なる葬儀には
僧侶は不在ということになります。
 これまでも身寄りのない方など家庭の事情で
直葬されるケースはあったと思いますが
葬儀社からの火葬式の葬儀の提案です。

 遺族の希望ということが大きいと思います。
これまでお寺とご縁がなかったお家の葬儀です。
 元を訪ねたらご先祖のお寺もあったと思いますし
遠方のお寺でも宗派がわかれば
同じ宗派の近くのお寺さんにお願いできることですが
お寺に頼まないという人が
増えてきたということでしょう。

 日頃からお寺にご縁がないなかで
お寺のこと仏事のことがわからないままに
大切な方の葬儀を行うということです。

 時間的な制約もあり
誰彼と相談することなく過ぎて
これでよかったのかと後で思い返す人も
あるかもしれません。
 
 最終的には喪主が決めることで
葬儀社と相談してということですが
生前にお寺にご縁をいただけたらと思います。

 葬儀をはじめ仏事について皆さんの思いや
なかにはお寺への不信感もあるかもしれませんが
どうぞお寺に相談してください。

 日頃から葬儀のあり方について考えることは
難しいことだと思いますが
まず皆さんの思いを聞かせていただいて
その人その人に
提案させていただきたいと思います。

 今の葬儀の現状をそのまま眺めているままでは
いよいよ仏さまのご縁は遠く遠く
薄くなっていくのではないでしょうか。

 ここはお寺の出番です!

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.12.15)

「昔からしている皆がしている」

2023-12-14
 今政界が大揺れに揺れています。
政治資金パーティのキックバック問題です。

 裏金と言われるもので
表に出てはまずいもの
自分の懐に入れて自由自在に使えるお金ということで
悪いイメージがつきまといます。

 裏金つくりを組織的に巧みに行っていたという
構図が浮かび上がっています。
 組織内で長年にわたって行われてきて
昔からしている皆がしているという認識で
悪事をしている罪の意識が薄れ
慣習になっていったのでしょうか。

 私たちの日々の生活習慣の中に
仏事にまつわる迷信という類のものがあります。
 例えば、友引に葬儀をすると有縁に葬儀が続くとか
四十九日が三月にかかると不幸が続くといったことです。

 日頃は笑い飛ばすようなことでも
当事者となって周りから言われるままにしてきたことが
受け伝えられていくのです。

 そのこと自体にどんな意味があるのか尋ねても
「皆が言ってる昔からしている」という不確かなことです。

 本当のことが見えなくなる分らなくなることの
恐ろしさが迷信の正体です。
 その人一人が迷うのではなく
周りのものまで迷いの中に引き込んでいくのです。
 そして昔からしている皆がしているということで
安心しているのです。

 仏事のことで迷ったら
お寺さんに相談しましょう。
 迷信を転じて正信の仏さまの教えに
遇わせていただくご縁になるでしょう。

 先の政治とカネの問題は
ずっと繰り返されてきたことです。
 政治も所詮人間がすることで
どこまでも完全無欠なものではありません。
 だからこそ政治家の皆さん
日頃から仏さまの教えを聞くことをお勧めしますが
どうでしょう!

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.12.14)

今年の漢字

2023-12-13
 年末恒例の今年の漢字一字が
「税」と発表されました。

 やれ増税だやれ減税だと
この一年言われ続けたことです。

 この一年を象徴する字を「税」と聞いて
快く一年を振り返る人は少ないのではないでしょうか。

 税金を納めるのは国民の義務ですが
「どうぞお好きなように幾らでも持っていってください」
という人はいないと思います。
 少額でも納めなくていいように
節税対策を考えたりするものです。

 大谷さんのような高額所得者になると
税金に関する思いはどうなのでしょうか。
 どのくらい納めるのか気になるところですが
法律に則ってそのまま納税することで
大きな社会貢献をされるということです。

 私が若い頃「お坊さんはいいね!
税金を払わなくていいんでしょう」と
軽口で言われたことがあります。

 多分宗教法人が非課税ということでの
認識だと思いますが
「お寺から給与所得をいただいて
皆さんと同じように
ちゃんと納税義務を果たしていますよ」と
気色ばって言い返したことを思い出します。

 私たちが共に生きる社会において
それが国であれ小さな組織であれ
そこに所属するものはそれなりの負担を負うことで
その社会組織が成り立っています。

 お寺もまた一つの社会組織です。
それぞれのお寺に所属する檀家門徒によって
お寺は護持されていますが
私たちの浄土真宗のお寺でいうと
お念仏のご法義につながった門徒同行の組織です。

 お寺に所属するものすべてが
同じ方向を向いて行くということで
お寺をお念仏聞法の道場として
共にお念仏申して往生浄土の道行きを
ご一緒させていただきます。

 お念仏の声が聞こえるお寺を
共に護り伝えていくという同じ目的をもって
私たちお念仏の同行が一人一人
私にできることを精いっぱいさせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.12.13)

檀家と門徒

2023-12-12
 浄土真宗では門徒という皆さんですが
他宗派では檀家といい所属するお寺を檀那寺といいます。

 檀那とはインドの言葉のダーナの音訳で
意訳は布施です。
 お寺と檀家門徒の関係は
布施ということで意味付けられているのです。

 布施といえば
お寺にお包みをするお布施を思いますが
元々は私が周りの人たちに施す行いのことをいいます。

 物を施す布施と法を施す布施があり
檀家からお寺への財施とお寺からの法施です。

 法施は檀那寺の僧侶が法要をお勤めしたり
お説法をすることで
財施は檀家がお寺に物やお金を施す行いです。
 お寺は檀家の財施によって護持運営されているのです。

 浄土真宗のお寺もご門徒衆の布施によって
護持運営されますが
お寺と門徒の関係は
お念仏のご法義のつながりにあります。

 浄土真宗の門徒の所属するお寺を
お手次ぎ寺といいます。
 お念仏のお手次ぎをしてくださるお寺ということで
お念仏のご法義つながりです。

 檀家というと家の宗教というイメージですが
門徒はお念仏のご法義に生きる人です。
 私の家のお寺ではなく私のお寺ということで
お寺のご縁にお参りして
いよいよ浄土真宗の門徒にならせていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.12.12)

お寺さんと日頃からのお付き合い

2023-12-11
 
お葬儀やご法事、お仏壇やお墓のことなど
有縁の方から仏事に関するご相談を受けます。

 他門徒の方の場合は
通仏教一般的なお話をして
最終的には「お寺さんにご相談してください」と
おこたえします。

 具体的な内容について
それぞれのお寺で昔からの取り決め事もあって
対応が違うことがあるのです。

 自分が所属するお寺さんに聞けばいいようなことを
中々聞けないというところに
今のご門徒とお寺の関係があるように思います。
 ご門徒からいうと
お寺の敷居が高いということなのでしょうか。

 私が小さい頃は
よくお寺に来る人が何人もいました。
 どこどこのおじちゃん、おばちゃんなどと
今も懐かしく思い出されます。

 何か用事があってお寺に来るということでしょうが
特別に何も用事がないのにお寺に来ては
庫裏に上がってお茶を飲んで帰るといった具合です。
 これといった相談事でもない
いろんな世間話をしていたのでしょうね。

 昔はお寺とご門徒地域の皆さんとの関係が
近くて親しい家族のようなものだったように思います。

 今は私たちを取り巻く地域社会の有り様が
昔とは全く変わりました。
 田畑が様々な企業や住宅地に変わり
いろんな人たちが働き移り住むようになりました。

 昔はご門徒のお家にお参りするのに
留守のお家も自由に出入りしていましたが
今はしっかり施錠されています。
 昔ののんびりした雰囲気とは様変わりした
今の社会の現実です。

 お寺もまた何か用事がないと行かない所になって
日々の生活の中でお寺とのつながりが
急速に薄くなったように感じます。

 日頃のお寺とご門徒さんとの関係
人と人とのつながりがあれば
仏事のことも何でも聞けると思うのですが
お葬儀で初めてお寺とのご縁ができるようなことで
仏事の初歩的なことも聞けないままで
これはどういうことだろうどうしたらいいのだろうと
不安ばかり抱え込んでしまうことです。

 仏さまのご縁つながりです。
先に往かれた仏さまが
私たちに命がけでつくってくれたご縁です。

 お寺の本堂お家のお仏壇の御仏前に座らせていただき
仏法聴聞させていただきましょう。
 南無阿弥陀仏のお心を聞かせていただき
お念仏を申す身にお育ていただきましょう。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.12.11)

円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
0
3
5
6
7
4
TOPへ戻る