お念仏を申す生活法話
本願念仏の救いの法を聞かせていただきましょう
こうして本堂お内陣のお荘厳が整い今日明日明後日と親鸞聖人の御正忌報恩講のご縁を迎えます。
私たち浄土真宗門徒にとって一番の法要ということで
円光寺では毎年この時期に親鸞さまのご法事のご縁をいただきます。
ご法事といいまして、親鸞さまのみ跡を慕うということです。
親鸞さまはどういう方だったのかそのご事績をたずねることですが
一番肝心要は親鸞さまが私たちに阿弥陀さまの本願念仏のお救いの法を伝えてくださったということです。
南無阿弥陀仏のみ教えを聞いてくれよというのです。
ご本願を聞いて信心いただけよお念仏申す身になってほしいというのが親鸞さまの大きな大きな願いなのです。
報恩といって親鸞さまのご恩に報いるとはこの私がお念仏を申す身にさせていただくことなのです。
見事にきれいに整ったお内陣のお荘厳を前にしていつもより何かお念仏しやすいように思います。
ご門徒皆さんが心を寄せ体をはこんで調えてくださったお荘厳ですが
調ってみると私が云々ではなくて阿弥陀さま親鸞さまの大きなお心おはたらきをそのままいただいているということです。
必ず救うまかせよの南無阿弥陀仏のおはたらきに突き動かされてこの口からナンマンダブツとお念仏が出てくださいます。
いつでもどこでもという南無阿弥陀仏のおはたらきですが
今日明日明後日の三日間どうぞ皆さん心を寄せ体をはこんでいただき
隣の人にも声をかけて一人でも多くの方々共々に本願念仏の救いの法を聞かせていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.11.26)
私一人のための仏さまのご縁です
昨日ご法事がありましたが、施主の方が急に用事ができてお勤めができないということで
子どもさんが施主に代わってお勤めをされました。
お勤めの後でご法話をさせていただきますが、本当によく聞いてらっしゃるということが手に取るようにわかります。
20歳代の青年です。仏さまのご縁に遇うということは本当に難しいことですが、お父さんの代役でできました。
ただ仏さまのご縁はその人人を選びません。
阿弥陀さまはどんな人も分け隔てなく必ず救うとおはたらきの仏さまに成ってくださいました。
施主だから何々だからということではありません。
今日の皆さんと同じように仏さまのご縁に遇うということは
そのまま救うまかせよの南無阿弥陀仏のおはたらきのなかにあることを聞かせていただくことなのです。
それはお家のご法事や明日からお勤まりの御正忌報恩講などのお寺のご縁でしか聞かれないということではありません。
私たちの日々の生活のなかで阿弥陀さまの大きな大きな南無阿弥陀仏のお慈悲のおはたらきは
今こここの私を目当てにはたらいてくださってあるのです。
どうぞそのこと一つ心に入れてこのたびの御正忌報恩講のご縁を私一人のためのご縁としていただいてください。
皆さんの隣の方に声をかけられて一人でも多くの方にご縁に遇っていただきたいと思います。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.11.25)
イチョウの木の思い出
朝が寒くなりました。今朝はこの冬一番の寒さということですが、これから益々寒くなってまいります。
先ほど6時の鐘をつくとき西の空に大きなまん丸いお月さんが鮮やかに光を放っていました。
星もたくさんきれいに輝いていました。澄んだ冬の夜空です。
今紅葉のシーズンですが、イチョウも黄色く紅葉して鮮やかです。
この前テレビで「何故神社仏閣にイチョウの木が多いのか」ということが話題になっていました。
円光寺にもかつて大きなイチョウの木がありました。
黄色く色づいたイチョウはきれいですが、落葉し実が落ちると掃除をし始末に困るといった良くない思い出があります。
銀杏の実のあの独特なにおいです。それを一つ一つ拾って剥いて乾かし食べるまでが中々厄介なことでした。
そして何かべとーっとまとわりつくような葉っぱの感触です。箒で集め掃除をするのに困りました。
実はイチョウには水分が豊富に含まれているのです。
それで防火のために神社仏閣や学校など人の多く集まるところに植えられたということです。
熊本城にも大きなイチョウの木があるそうです。
加藤清正が植えたと伝えられますが、西南戦争の際に起きた熊本城の火災で一度は枯れたものが
残った根元から芽が出て現在まで成長しているとのことです。
水分を保って命をつないできたことでしょう。生命力の強さを思います。
円光寺もイチョウをはじめ大きな木がなくなりました。
鎮守の森といわれるお宮も開発事業などで昔のすがたがなくなりつつあります。
大宇宙の月も星もそうですが、大自然のなかに私たちは生かされてあることを殊更思います。
人間の都合に合わせて自然のものに手を加え切ったり除いたり変えたりしていくことも一理あるところですが
私たちの仏さまのご法義です
あるがままそのままに生きよそのまま救うと南無阿弥陀仏のご法義に生かされて
日々の生活、お念仏を申す日暮しを今日も一日させていただきましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.11.24)
11月23日はお飾りつきおみがきの日です
今日は勤労感謝の日で祝日です。
円光寺では毎年この日に御正忌報恩講に向けてお飾りつきとおみがきをします。
私が子どもの頃は円光寺の御正忌は12月28日をご満座とするもので
年の暮れの本当に忙しいときにお飾りつきをして御正忌をお勤めし慌ただしく正月を迎えるということでした。
前住職の時に1か月前の11月に移しましたが、勤労感謝の日の祝日をお飾りつきの日にしたのです。
当時も今もそうですがお勤めの方が多いということで仕事がお休みの日に
一人でも多くの方にご加勢いただきたいということでした。
26、27、28日の御正忌の日程から逆算してお飾りのお餅がちょうど串もりできる日ということでもあります。
今日はお宮さんの行事もあってお寺とお役が重なっている方もいるようです。
京都の東本願寺では21日から28日までの御正忌報恩講の期間に入っています。
西本願寺でもこの日は毎年秋の法要といって全国から多くのお同行がお参りする大きな行事があります。
各地でいろんな催し物があり紅葉のいい時節ということで観光に行かれる方も多いと思います。
その人人のこの日の過ごし方は様々ですが、こうして円光寺にご門徒皆さんが気持ちをもってお手伝いしてくださるなかに
私たちのお寺の営みがあることを住職として本当に有難く思うことです。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.11.23)
いい夫婦の日
今日11月22日は「いい夫婦の日」だそうです。
今日だけいい夫婦ということではないのでしょうが
夫婦という二人の生活です、互いに自分の都合のいいことばかりではありません。
私たちの浄土真宗の仏教は家庭生活を営むなかでお念仏を申す仏道を歩ませていただく在家の仏教といわれます。
在家に対して出家といいます。捨家ともいって家を捨てるというのです。
出家の仏道は家を捨て家庭をもたず独り自分の力で厳しい学問修行を積んで悟りを開くという仏道です。
家庭をもつことは仏道修行の妨げになるのです。
夫婦、親子、兄弟、友人という人間関係つながりを断つことから仏道修行がはじまります。
私たちの生活は在家にあって人と人との関係つながりのなかに生きています。
人との関係で自分の思い通りにいかないことも多くあり苦しみ悩み迷うこともしばしばです。
自分一人で自由自在に生きていければ本当に気楽なことだと思いますが
自分一人では決して生きていけないことも私たちは知っています。
思い通りにならないこの人間社会にあって不自由不自在に生きる私をちゃんと見て取り
そのまま必ず救うとおはたらきの南無阿弥陀仏のみ教えが私たちの浄土真宗なのです。
ナンマンダブツとお念仏を申してくれよといわれます。
お念仏を申す生活をさせていただきましょう。
ああやこうやとはからいとらわれのなかに生きる私ですが
お念仏申すなかに阿弥陀さまにご相談して今日も一日
自分一人が頑張るのではなくすぐ隣にいるあなたと共に生かされて生きてまいりましょう。
ご一緒に、お念仏申しましょう。(2018.11.22)