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お念仏を申す生活法話

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「大変やったね」

2023-12-29
 「大変やったね」
夕食のときに家族からかけてもらった言葉です。

 昨日のお話の続きです。
私の不注意で落とした財布を拾ってくれた人がいて
届けてくださった交番に受け取りに行き
財布がそのまま私方に戻ってきました。

 キャッシュカードも入っていて
すぐ取引停止の手続きをしなければならなかったのですが
その前に財布が見つかったことで
事無きを得たのです。

 行方不明の財布のことがずっと精神的に重く気になり
キャッシュカードの取引停止やその後の再発行のことなど
事務的な煩わしさを今思うと
大変な事態に陥っていたということです。

 無謀なことでケガをして泣いて帰った子どもに
「何でそんなことをしたの」と叱る親の傍らで
おばあちゃんは「痛かったね。もう大丈夫!」と
孫に寄り添い傷の手当てをしたというお話です。

 親も祖母も子を思う気持ちは同じですが
その対応は異なります。

 叱られたことで自分の非を教えてもらい
これからはより注意するようになるでしょう。
ただまた同じことを繰り返すかもしれません。

 そうした私のことをもうすでに見抜かれて
叱るのではなくそのまま抱き取るのが
仏さまのお慈悲のおはたらきです。

 子どもは
「これからは心配をかけないようにしよう」
と思うでしょう。

 「大変やったね」と言われて
自分のことを心配してくれている人がいることを思います。
 財布を拾って「困っているだろうな」と
自分のことに置き換えて思ってくれたんでしょうね。

 周りの方たちに心配かけないようにしようと思い
困っている人に何かできるお手伝いをさせていただこうと
思うことです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.12.29)

どこまでも自分の思いはからいで生きている私です

2023-12-28
 昨日久しぶりに友人と
夜の大分で食事をしました。

 駅に向かって帰る途中
財布が無いことに気づきました。

 さあ大変!
ほろ酔い気分も吹っ飛んで
何度もポケットやカバンの中を探しますが
財布はありません。

 お店に戻って聞いても無いものはありません。
ああどうしようと
悶々と夜中を過ごして
朝一番に駅近くの交番に電話をしました。

 財布の特徴や入っていたものなどを聞かれて
「ちょっとしばらくお待ちください」とのこと
もしかして‥…
再度私の名前を確認したうえで
「ありました」との返答で
昼前に交番に財布を受け取りに行きました。

 財布を拾って交番に届けてくれた人は
20歳代ぐらいの男性で
住所も名前も告げなかったそうです。
 駐在さんからは
「返戻金は要らないですよ」と言われて
中身もそのままに財布が戻ってきました。

 財布が無くなって色んなことが
頭の中を交錯しました。
 年末の人通りの多い中で
財布を拾ってそのまま返ってくるだろうか
現金だけ抜かれて戻ってくるのでは
キャッシュカードは大丈夫か等など
人を疑い悪いことばかりをぐるぐる考えていました。

 本当に情けないことです。
どこまでも自分中心の思いはからい疑い心が
行ったり来たりの私です。

 財布を拾った人は
どんな思いで交番に届けてくれたのでしょうか。
「財布を無くして困っているだろうな」と
自分のことに置き換えて考えてくれたのでしょうね。

 拾ったものはそのまま交番に届ける。
誰でもできるようなことですが
果たして自分だったらと考えてしまいます。

 駐在さんから住所名前を聞かれたと思いますが
名乗ることなく立ち去ったといいます。
 まさに見返りを求めない
菩薩の布施行です。

 以上、財布が戻ってきた今だからこそ
こんな文章が書けるのですが
もし未だ行方知れずだったら
疑いの心止むことなく
どんなことまで悪い妄想を膨らませていただろうかと
まさに悪凡夫の私の正体です。

 阿弥陀如来のご本願のお救いは
この私のためのものでした。
 お念仏申して阿弥陀さまのお心おはたらきを
聞かせていただきます。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.12.28)

お念仏のともの会です

2023-12-27
 今年から始めた新企画の
<あんのんカフェ>です。

 お寺の境内のあんのん館で
コーヒーとケーキをいただきながら
思い思いにお話をします。
 誰彼となくお話のキャッチボールが
できてつながります。 
 皆さんの身近な話題から
お寺のこと仏事の話にお話が広がります。

 御仏前のご縁です。
皆さんが同じ方向を向いて
美味しいものをいただて
ゆっくりゆったり和やかなひとときを
仏さまのお慈悲の中にご一緒させていただきます。

 本当に有り難くてぜいたくな
<あんのんカフェ>のご縁です。

 初めての方もどうぞ気軽に
あんのん館にお越しください。
 お待ちしています。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.12.27)

「野球しようぜ」

2023-12-26
 アメリカ大リーグの大谷選手から
海を超えて粋なクリスマスプレゼントのニュースです。

 日本全国の小学校2万校に
それぞれ3個のグローブ6万個が贈られたということです。

 高額所得者の大谷さんだからできることですが
実際には思っても中々できないことです。
 世界中に有名な不出世の超スーパースターですが
日頃は人懐っこくて礼儀正しいという好印象から
決して嫌味ぽく見られず
ストレートに大谷さんらしいと受け止められます。

 グローブに添えられたメッセージが
子どもたちに夢と感動を与えてくれます。
「野球しようぜ」と声かけです。

 そこに大谷選手がいたら
みんな「はい」っと返事して
一緒にキャッチボールをするでしょうね。

 私たちのご本尊の阿弥陀如来は
「ご一緒にお念仏申しましょう」と声かけです。
 そのまま「はい」っとお念仏申すところに
南無阿弥陀仏「まかせよ救う」のおはたらきが
今こここの私に届いてくださっているのです。

 この目には見えませんが
お念仏は阿弥陀さまのおくりものです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.12.26)

M1に重ねてご法話のあり方を考える

2023-12-25
 年末恒例イベントの一つ
M1の決勝戦が昨日ありました。

 2001年から19回続く
M1日本一の若手漫才師を決める大会で
漫才人気が年々高まり広がるなかで
今年はプロアマを問わず
約8千組がエントリーしたそうです。

 毎年次々と新しいコンビが出てきます。
この中でわずか一部しか生き残れない厳しい世界ですが
漫才好きのお互いが切磋琢磨して面白いネタをつくり
常に新しい漫才のスタイルを考え「笑わす」話芸は
どんな世代にも受け入れられるものです。

 M1は4分間の時間制限内に
話のネタから展開に至るまで
全て自分たちのオリジナルです。

 ネタ帳というものがあるそうです。
常に時どきの流行話題にアンテナを張って
笑いに引き込む話のネタにするのです。

 すごく勉強されていることが伝わってきます。
ただ知識の受け売りでは笑いを取ることはできません。
笑いを取る工夫です。

 M1の漫才に重ねて
今宗派を超えて「H1法話グランプリ」という
お坊さんの法話共演会があるそうです。
 お坊さんが取り次ぐお経のお話
ご法話です。

 仏さまのご法話をいかに現代の一般大衆に届けるのか
ご法話のあり方が問い直されます。

 今のコスパタイパという時代にあって
お寺のご法話はちょっと長いように思われます。
 御仏前に座りゆっくりゆったり
ご法話を聴聞していただきたいということですが
「話の要点は何!」
「そんな時間があったら
自分の好きな事をした方がまし!」
などと思っている人が多いのではないでしょうか。

 これは若い人に限らず年輩の方も
ただ本堂に座っているだけで
何かもったいないと思うようです。

 そこで提案です。
時間制限をしてその時間内で
話す内容要旨を考えるということです。
 テーマを決めてもらうということも
一つのアイデアです。

 以前「テレフォン法話」が
たくさんのお寺から発信されました。
 3分間のお話です。
3分間で話の要点を伝えるということは
大変ですが
それをいくつも積み重ねることで
少し長めのご法話になるのでないでしょうか。

 長くても40分が限度です。
小学校の1時限の時間です。
30分、20分でも十分お話はできると思います

 次に漫才は聴衆の「笑い」を取ることで
話し手と受け手が一体になりますが
ご法話することで聴衆と何が一体になるのか
お念仏です。
 お念仏を促すのではありません。
お話を聞かせていただくなかに
「そやね」っと頷きふと口から洩れるお念仏です。

 お念仏のおはたらきが
話し手聞き手を超えて皆さんに届き
南無阿弥陀仏につながって一つになるのです。

 お寺の御本尊の御尊前という
仏法聴聞の場がそのままお念仏の道場になるのです。

ご一緒に、お念仏申しましょう。(2023.12.25)

円光寺
〒870-0108
大分県大分市三佐3丁目15番18号
TEL.097-527-6916
FAX.097-527-6949
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